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2014年7月8日火曜日

関数解析や作用素環の分野の反例集ページがあるというので作成者の教官にメールしてみて OK をもらった方の市民

これは面白そう.



私が書いている 数学の教科書 の反例の所にもこれを突っ込みたい.
イランの教官らしいが, ちょっとメールしてみたら OK を頂けた.
とてもありがたい.

それはそうと, この教官の ホームページ から Facebook に飛べるのだが,
飛んでみたら友達の欄に河東先生がいて割と真剣にびっくりした.
作用素環の反例も入れているくらいだし,
専門のところにも作用素環系のことが書いてあるのだから当然といえば当然だが.

2014年5月5日月曜日

可微分おっぱいのアレの前哨戦も兼ねてこの間のセミナーでやった線型代数入門の内容を Kindle で出してみる

可微分おっぱいのアレの前哨戦も兼ねて.



いま新入生向け線型代数セミナーでやった内容を Kindle で出そうと思って
https://github.com/phasetr/kindle-linear-algebra-for-newcomers をやっている.
販売するが, 内容自体はフルオープンでやる.
Kindle は宣伝に使うイメージでやってみる


@phasetr https://github.com/phasetr/kindle-linear-algebra-for-newcomers に epub ファイルを置いてみた.
実際に Kindle に出す前にチェックして頂ける方がいればご確認頂きたい.
式 (の画像) が小さいとかそういう欠点が既に分かっている.


本体の epub ファイルは build/epub/kindle-linear-algebra-for-newcomers.epub に置いてある.
ご協力頂ける方は是非お願いしたい.
これもそのうち DVD にしたい.

2014年2月24日月曜日

Paul 筋の情報: フーリエの記念碑的論文『熱の解析的理論』(1822)

今回は Paul 筋の情報だ.
フーリエ変換で熱方程式を解いた, フーリエの記念碑的論文『熱の解析的理論』 (1822) p334 https://archive.org/stream/thorieanalytiq00four#page/334/mode/2up 定積分で積分記号の上下に積分区間 \(\[a,b\]\) を書いた流儀を始めたのもフーリエ.
よく知らないがそうだったのか的なアレがある. とりあえずメモして共有だ.

2014年1月25日土曜日

セミナー告知: Lieb-Loss Analysis を元に 2/14 15:00 から東工大で 3-4 時間程度

先日もアナウンスした Lieb-Loss Analysis のセミナーの日程が決まった. 2/14 15:00 から, 東工大で 3-4 時間程度話す予定. 話す予定の内容はここにおいておき, 順次更新していく.

数学科学部 4 年の学生がメインターゲット (はじめにやろうといった相手) なので, 本当にきっちり知りたいなら学部 4 年程度の数学の知識は必要になる. ただ, 参加者として学部 1-2 年が実際にいるので, その辺にも雰囲気が掴めるようにはする. 微分積分や線型代数の展開, 具体的には Lebesgue や関数解析の使い方を見せて, 今後の勉強のモチベーションアップに使ってもらいたいと思っている.

ご興味のある向きは是非参加されたい. こちらのコメントでもいいし, Twitter でリプライを飛ばしてくれてもいい. ブログにはメールアドレスも載せてあるので, そちらに投げて頂いても構わない.

2014年1月16日木曜日

Lieb-Loss Analysis の 11 章を読むセミナーを東京近郊の大学で 2 月頃にやるので興味がある向きは問い合わされたい

yuki_migo さんとセミナーをしようという話があるので, とりあえず告知的なことをしていきたい. 下記の本, Lieb-Loss の Analysis, 11 章の始めから 11.14 くらいまでをやる予定. 2 月のどこかで東京近郊のどこかの大学でやる予定なので, 興味がある向きは問い合わされたい.



Schrodinger 周辺の話だが, 量子力学の知識は特に仮定しない. 物理に関して必要なところは補足する.

解析系の数学科学部 4 年くらいなら十分理解できる内容で, 本来の想定としてはそこに向けて話す. ただ, 本質的に使うのは微積分の計算であってあと大事なスパイスとして関数解析の基本定理を酷使する. 参加者の学年次第だが, 学部 1-2 年の学生が Lebesgue 積分や関数解析の応用面を知り, そこへの学習のモチベーションになるようにもしたいと思っている. ちなみに Lebesgue と関数解析と作用素論のセミナーを 3 月にやる予定なので, その前哨戦と言ってもいい. こちらについても参加されたい方は問い合わされたい.

基本的には本に沿って話をするが, 私の専門が作用素論方面ということもあり, 量子力学に関する作用素論展開と実解析的展開の物理的な見方的なところも多少話す. イントロでは, 確率論との関係や, 量子力学の他の話題, 幾何との関係なども多少話して, 分野的にこの辺の宣伝もする予定だ. 本には書かれていない点でいくつか面白いところは適宜補足していくので, 量子力学周辺の数学に興味がある向きは是非参加してほしい.

2014年1月10日金曜日

Thomas-Fermi 汎関数周りの量子力学と関数解析・変分原理的なセミナーをしよう

ゆきみさんとやりとりしたので記録.
「量子現象の数理」ぱらぱらながめてたらめちゃくちゃ高まったので勉強追いついたら買おうと思った
@yuki_migo セミナーしましょう
@phasetr 作用素論で死にそうになってるので量子現象まではまだちょっとかかりそうです. 二章は加藤 Rellich あたりまでちょっと眺めたんですが
@yuki_migo 作用素論は何をやっているのでしょうか. 量子力学系の作用素論, あまり数学的に標準的な作用素論ではないと思うので. (標準的な方は hypo normal な作用素とか行列不等式とかそういうのやっているイメージ)
@phasetr 最近変分法まわりしか勉強してないのでアレですが詳し目の関数解析の本に書いてあるような基本的なことですよ. 半群とかあんまりやってなかったので.
@yuki_migo 何するかによりますが, 新井先生の本関係の量子力学なら, ユニタリ群の話がメインです. 半群のかちっとした話はあまり使いません. 基底状態の解析関係で熱半群は少し使いますが, 一般論かちっとと言う感じではないので
@phasetr 数学的に興味が向いてるのが PDE 方面なので新井先生とはちょっとちがうかもしれないことは最近気づきはじめています
@yuki_migo PDE ならもっとシュレディンガーかっちりやった方がいいのではないか感. 散乱理論だともう少し作用素論っぽいこともあるとは思います. 実解析的な方向なら Lieb っぽい方向でしょう
@phasetr なるほど. Schrodinger かっちりやってる本ってどんなのでしょう. Lieb の Analysis だと触り程度な感じがしますが
@yuki_migo 数学でのシュレディンガーは時間依存の方程式を扱うので, Lieb の方向と全然違う印象があります. 数学方面のシュレディンガーは全然知りません. その方向だと東大の中村先生とか早稲田の小澤先生とかいるので, 本当に興味があるなら相談してみてはどうでしょう
@yuki_migo あと非線型シュレディンガーと線型シュレディンガーとで大分変わると思います. Ginzburg-Landau とか GP とか, 関係する方程式も色々ありますし, ランダム磁場付きシュレディンガーとか何とか色々
@yuki_migo 読んでないからよく分からないのですが, 中村先生の http://www.amazon.co.jp/dp/4320015789 とか? あとはその参考文献から調べてみるとか
@phasetr ふむふむ. とりあえずつぎ大学行ったとき図書館あさりますかね. ありがとうございます
@yuki_migo 思い出したのですが, シュレディンガーと言うか実際に研究がある量子力学関係の PDE として, BCS だとか Ginzburg-Landau, Gross-Pitaevski などあるので, その辺参照すればいいのでは説もあります
@yuki_migo GL は北大の神保先生などがやっています http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/sympo/090113/program.html あと GP は http://arxiv.org/abs/cond-mat/0610117 にも記述があります
@yuki_migo PDE 的なことしたいなら, 何と言うか, 実解析的なことをやった方が多分良くて, 新井先生方面の作用素論をやっていてもあまり役に立たないのでは感. 雰囲気知りたいと言う話なら, 何かセミナー的なアレやってもよいです
@phasetr 実解析的なのっていまいちどういうことかわかってないのでセミナーしてもらいたいです
@yuki_migo それっぽい方向で知っていて簡単な文献もっているのは Lieb-Loss Analysis での TF functional まわりとか物質の安定性位なのですがその周囲でいいですか. 能力的に出来るの恐らく TF がギリで, あまり PDE っぽい話ではなくて申し訳ないのですが
@phasetr 実際そのあたり読んでておもしろいのでおねがいしたいにゃんです
@yuki_migo ならばひとまず TF で. この辺, 微分幾何とかでも出てくるようなアレで, 要は変分的にエネルギー汎関数の値が基底エネルギーだとか物理的に大事なアレになっていて, その停留点 (とそこでの値) を調べるのに (非線型の) 微分方程式を解く必要が, とかそんなやつです
@phasetr 微分幾何の知識がないほうのゆきみんでした. このごろ Lieb-Loss の Ch11 読んでてそのあたり変分変分してておもしろいですね. せいぜい教養レベルの量子の知識しかないので物理的なことがよくわかってないんですが. 場所どうしましょ
@yuki_migo 誰かを適当に巻き込んで適当な大学でやりましょう. 微分幾何関係は解析力学と変分と言ってもいいです. 幾何学的変分問題の 1 章見るといいです. 物理知らなくてもとりあえず数学できると思いますが, ある程度保補足する予定の市民
Thomas-Fermi, 一応やろうとは思っていたのをずっとサボっていたのでこの機会に勉強しよう. いつどこでセミナーするかとか全く決めていないが興味ある向きはご連絡頂きたい.

2014年1月8日水曜日

田崎さんと原さんは早く Ising の本をまとめた方がいいのでは, と思った方の市民

数学的な統計力学の本とかいうアレがあったので.
数学的に書かれた統計力学の本読みたみ
@slip001 このツイートしばらくしたら相転移 P のリプライが来そうな気がする笑
@wr_r イケメン相転移 P さんからのリプレイとかうれしい\(// ∇//)\
@slip001 @wr_r 学生のころ田崎さんに聞いたことがありますが, 最低限私よりも数学できないと読めないような本で, しかもめちゃくちゃ読みにくい本しかないです. 強いていうなら新井先生の本ですが, あれは「量子統計の数学」であって「数学的な色彩の強い物理の本」ではないので
@slip001 @wr_r 滅茶苦茶読みづらいといったのが http://www.amazon.co.jp/dp/9810238622 です. 田崎さんが若い頃からある本ですが, 碌なものではないのでお勧めはしません.
@slip001 @wr_r http://phasetr.blogspot.jp/2013/11/4.html にある Bratteli-Robinson が量子統計の数学で一番有名でかつ読みやすい本です. ただ数学科レベルで関数解析できないとだめで, 量も膨大なので拾い読みできるだけのモノがないとつらいです
@slip001 @wr_r 近刊とうわさの田崎・原のイジングが一番読みやすい (読みやすくなる) はずです. もちろんイジングに特化した話になりますが, 相転移・臨界現象を学ぶにはいいはず (と信じている)
@slip001 @wr_r Bratteli-Robinson は私も必要なところしか読んでおらず, それも本当に適宜つまみ食いという感じが強いです. 必要なのである程度はまとめて読んだところとそうでないところの差が激しいので. 原・田崎の完成を待つのが一番無難という感
@slip001 @wr_r あとおそらく一番根本的な問題として, 基礎的な部分で色々な数学的困難を抱えていて数学的にきちんと議論できる統計力学の話題自体ほとんどないので, 最低限の勉強をした後はもうほぼ研究ベースの話になってしまうでしょう. それも物理としては無残なのに数学的に辛い話
新井先生の量子統計の本はこれ.



Ruelle のがこれ. ただ, 読むのはやめた方がいい.



また以前関連する動画も作ったので, 興味がある向きはご覧頂きたい.
  1. 春香誕生祭+緑なP・実解析P・パラPリスペクト1/5 量子統計の数学的基礎
  2. 春香さん誕生祭+色々リスペクト2/5 ルベーグ積分と関数解析1
  3. 春香さん誕生祭+色々リスペクト3/5 ルベーグ積分と関数解析2
  4. 春香さん誕生祭+色々リスペクト4/5 テンソル積と多体系
  5. 春香さん誕生祭+色々リスペクト5/5 平衡状態の定義について
あとこの辺.
(量子) 統計がどれだけつらいかというと, 平衡状態の定義をするだけで作用素環の至宝, 冨田-竹崎理論が必要になるというところ. 今となってはそこまで絶望的に学習が困難という話ではないが, 物理的にあって当然の概念のために作用素環の基礎理論を 1 つ用意する必要がある程度に処理が面倒というアレ
@phasetr あと修士修了後しばらくやっていて全然できなくていったん止めた話だが, ハバードモデルの基底状態の存在とかもかなりきつい. 要は具体的なモデルを何か取ってそれを詳しく調べましょうみたいな話も格子模型のレベルでほぼ絶望. スピン系が扱えることが既に奇跡と言っていいのでは感
@phasetr 基底状態の存在という話では, 場の理論での【発散の困難】的な話題も絡んでくるし, 物質の安定性の観点からの基底エネルギーの評価 (エネルギーの示量性とも関係) とか, 基本的なところで問題山積みでどうにもならない
@phasetr 「基礎が分からなくても応用はできる」というアレがあるかもしれない, と思われても, 具体的なモデルの解析はもっと難しいので手がつけられる簡単なところから, というそこの段階で詰まっているのが現状なのでどうにもならない
@phasetr むしろ問題をいくつかあげるから研究してほしい
本当, 誰か研究に協力してほしい. 

2013年12月15日日曜日

るのひとによる Gowers の仕事紹介 PDF の発掘

るのひとが, この間 フィールズ賞を取った Gowers の業績紹介 PDF を発掘していた.
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1100-12.pdf 近寄りたくないw
はじめて Gowers の話を聞いたとき, まず一般の Banach 空間論の研究をやっている人がまだいるということに衝撃を受けた. \(C^*\) や von Neumann 環も Banach 空間ではあるが, 作用素環というまた別のラインの話だし, こう色々と衝撃を受ける. フィールズのときの紹介で, 証明も組み合わせ論など純関数解析的な話以外も駆使したとか書いてあって, 何をやっているのだ的な感じがあり, 戦慄した. 関数解析怖い.

2013年12月13日金曜日

無限次元トポロジーという魔界

tri_iro さんの連続ツイートが面白かったので張っておく.
  1. https://twitter.com/tri\_iro/status/385075846018375680
  2. https://twitter.com/tri\_iro/status/385725260164628480
  3. https://twitter.com/tri\_iro/status/385725908771807232
  4. https://twitter.com/tri\_iro/status/385726851957538818
  5. https://twitter.com/tri\_iro/status/386472808923926528
  6. https://twitter.com/tri\_iro/status/386473588863168514
van Mill の "Infinite-Dimensional Topology" http://www.amazon.co.jp/dp/0444871330/ 読んでたら強無限次元の完備な全不連結空間とか超限次元を持たないけど弱無限次元のコンパクト空間の例とか載ってたのでしっかり理解しとこう.
【疑問】アレクサンドロフの問題 (1951) の一般化:コンパクト可分距離空間が遺伝的弱無限次元ならば必ず零次元部分空間の可算和となるか? いや, どちらかといえば反例が欲しいんですが.
ってかヒルベルト・キューブを可算個の全不連結空間の和として分解するのって無理だと勝手に思ってたんですが可能なのかなー. いや, 零次元空間の可算和にするのが無理ってことは簡単に分かるんですが, 無限次元トポロジー本読んでたら, 無限次元の全不連結空間とか出て来るし自信なくなってきた.
アレクサンドロフの問題の Pol による反例は, 変な強無限次元空間のコンパクト化として作るから, 当然, 強無限次元空間を部分空間として含むわけで, 遺伝的弱無限次元にならないんですよねー
E. Pol "高次元遺伝的分解不可能連続体の比較不可能なフレシェ型を持つ族"http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0166864104001695 遺伝的強無限次元カントール多様体の非可算族で, フレシェ次元型が反鎖になっているものの作り方がここに載ってた.
「ヒルベルト・キューブを埋め込めない非可算次元ポーランド空間ってどうやって作るんだよ! 」という疑問から始まり, 自力では構成を思いつかず, 「非可算次元ポーランド空間のフレシェ次元型は唯一なんじゃないか」という楽観的な予想をして色々調べていたけど, 無限次元トポロジーの闇は深かった.
無限次元トポロジー, 魔界.

2013年10月25日金曜日

Alan Sokal による Baire のカテゴリ定理抜きの Banach-Steinhaus の定理の証明

このような呟きを見つけた.
Baire のカテゴリ定理を使わずに一様有界性原理を証明してる人がいた (http://arxiv.org/abs/1005.1585 ). やばそう
誰かと思ったら Alan Sokal だった. これは ソーカル事件, 『「知」の欺瞞』 の Socal だ.

中身について. 5 ページしかないので興味がある向きは直接確認してほしいが, 対偶を示す形で証明している. ちなみに歴史的経緯を含め, 証明まで 1 ページしか使っておらず, 証明本体は半ページしかない. Hahn と Banach によるオリジナル論文ではこの線で証明しているらしいが, もたついている部分があるとのこと. また標準的な Baire のカテゴリー定理を使う証明では仮定自体をもう少し緩められることを注意している.

2013年10月17日木曜日

本当は怖い Banach 空間

Banach 空間がやばい的なツイートを見かけてこう色々と感銘を受けた.
Banach 空間病的すぎるだろ…
@Lyirth あまりよく知らないのですが, バナッハ空間は多様な微分方程式を制御するために出てきた, 多様なものを許容する空間とかいう話を聞いたことがあります. 作用素環もバナッハ空間ですが, 環構造と対合と特殊なノルムをつけてすらどうにもならないヤバい空間で小粋という理解
@Lyirth 何に書いてあるか思い出したので調べたのですが, \(\ell^2\) の原点にあった積分方程式とそのための関数空間, 線型作用素論を展開するためにバナッハが導入した, という話のようです. 志賀先生の「無限からの光芒」 p116-117 に書いてあります
@Lyirth この本, 竹崎先生も名著と呼ぶスーパーよい本で, 私も学部 1 年で細部が全く訳分からないのに読んで感銘を受け, 院で数学に行ったというところで深い影響を受けているスーパー面白い本なので, 未読なら是非読んで下さい
@Lyirth 昨日からやっているサマースクール数理物理でちょうど議論しているところですが, フラットな時空上での相対論的な方だと収束評価が死ぬほどつらくてどうにもなっていないというのが率直なところです. 非相対論ならある程度は制御できています. あくまである程度は
@phasetr 実をいうと覚えてないと思いますが \(C^*\) 環を始めたのは「ユニタリ化と局所コンパクト空間の一点コンパクト化」が対応しているということを 市民さんから一年以上前に聞いたのが C*に興味を持ったきっかけで C*の門を叩いたこのタイミングでもう一度お話を聞けるのは幸せです.
@Lyirth それ覚えています. 今日河東先生が AQFT の共形場周辺をやっているのは河東先生の他, Longo とその学生くらいしかいないのでもっと増えてほしい的なことを言っていました. 場の理論であるのはもちろん, 頂点代数作用素等色々な数学が絡む面白い所なので目指されては
@phasetr 読みます. ありがとうございます! (ところでもし面倒でなければ教えて頂きたいのですが (基本的な内容で申し訳ありせん) Banach 空間 A=B+C (直和) と書けるときに B が閉→ C は閉って反例あるのでしょうか?)
@Lyirth ちなみにこの本, 前半でカントル集合とか他にもこう色々一見関数解析と関係なさげで基礎的な話が出てきますが, 作用素環だと意外とその辺かなりクリティカルで, カントルに関しては千葉大の松井さんの研究対象にもなっている程度ですhttp://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~matui/
@phasetr 嬉しいです! 最近楽しいなと思っていたのですがますます心惹かれた気がします. とりあえず, Murphy の \(C^*\) algebra を読んでみようと思います. もし読み終えることができたらオススメの本をお聞きするかもしれませんがそのときはお願いします.
@Lyirth まだ証明つけていないのですが, 日合-柳の「ヒルベルト空間と線型作用素」 P29, 演習問題 12 として【直和ノルム空間 X+Y がバナッハである必要十分条件が X,Y ともにバナッハである】とあるので, 反例ないのではないでしょうか
@phasetr 直和ノルムではなく, \(X+Y\) にノルムを入れてそれを \(X\) 上 \(Y\) 上に制限するときに元のノルムと制限から作られた直和ノルムが同型ならそうだと思います. もしそうでないなら一般の場合にも言えるのでしょうか? (続け様にすみません汗
@Lyirth まだ同型になる場合の証明をつけていないのでアレですが, まずは同型になってしまう理由からきちんと調べたいところです. あとは一般の位相空間や位相群でも類似の問題を考えて様子見したいところです. ノルム空間だと半端に知っているところにひきづられてしまうので
@phasetr 昨日の問題, 否定的に解決されまして人から教えて頂いたのですが, 例えばまず稠密な基底を取ったあとにそれを延長して代数的な基底を作り延長した元から一元除くと, codim1 の閉でない空間と一次元 (すなわち閉) 部分空間の直和になり反例になるようです.
@Lyirth ありがとうございます. 代数的なきていというの, いまだに感覚が掴めないですね. そもそもバナッハで基底を使わないので
@phasetr たしかにまだゲルファント表現あたりまでしか読んでないのですが, 一度も基底を取ってないです笑 一応線形空間なのに基底を取らないというのは変わった感じがします (無限からの光芒買ってきました←
志賀先生の本はこれだ. ハイパー面白いのでとにかく買って読むべき.

上掲書にもあるが, Banach での基底を Schaudar 基底とか言ったりもするらしい. ただ, 使ったことはない. 作用素環だと, 各作用素の成分表示をするときがないわけでもなく, そのときは「行列単位」という形での基底を取ることはある. 少なくともイメージのレベルではよく行列形式の書き方はするし, von Neumann 環だと本当に必ず射影があるので, それに合わせて「コーナーを取る」とかいう形で作用素を行列表示することもある.

あと, 作用素環専攻だったにも関わらず, 物理への応用まわりと作用素論の勉強にかなり時間を割いたせいで, 本当に作用素環の基礎事項を知らない. GNS とか本当の基礎の基礎と, 物理で使う関係上, 冨田-竹崎理論を (私の物理に必要な範囲内の state レベルで) やった程度. (ただ, たまたま竹崎先生の集中講義があって, weight での定式化も一度やったことにはなっている. ) ICC とか II_1 factor とか, K-理論とか知らないのはかなりやばいのでどうにかしたいとは思うが, なかなか思うに任せない. 先日のつどいで関さんの 290 定理にも興味があったにも関わらず, パン耳パイセンの作用素環入門を聞きにいった理由もここにある. これはこれで十分に楽しかったのでいいのだが, 私の作用素環がズタズタなのは変わらない.

それはそれとして, 初めて邂逅したときは学部初年度でひいひい言っていた学生達が, あっという間に学部 3-4 年になり, 院に行き, とんでもないレベル, 世界最先端にアタックしていくようになるのを見るのはとても楽しい. るの人も 1 年くらいすれば当然私を凌駕するようになるだろう. 何か面白い話を聞かせてほしい.

発端となった Banach 空間のアレの PDF の話とかもある. あとこんなマイコメントもつけておこう.
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1100-12.pdf 近寄りたくない w
ちょっとるの人がバナッハ空間に関する, 感銘を受けざるを得ない PDF を張っているのであとできちんと読む
@phasetr 私の心はむしろヒルベルト空間と共にあるのだが, もう 1 つの心の故郷として作用素環があり, 一般にはノルム空間 (ノルム環) であってバナッハ空間なので要はバナッハ空間は祈りの対象
あと この辺も面白い.
@phasetr 読みます. ありがとうございます! (ところでもし面倒でなければ教えて頂きたいのですが (基本的な内容で申し訳ありせん) Banach 空間 A=B+C (直和) と書けるときに B が閉→ C は閉って反例あるのでしょうか?)
@Lyirth 横槍失礼, 直和が単に algebraic な直和の閉包になるというだけの意味なら, closed でない codim 1 subspace はたくさんあるが, dim 1 subspace は常に閉. これらを complementary に取ることは難しくないよね.
@Lyirth 閉包とったほうが安全だけど, この例は片方 dim 1 だし閉包とってないよ. Hilbert でもできるけど, ミソはあえて orthogonal じゃなくとるところさね.
@Lyirth 可算次元 dense subspace をはる基底をとってから, それを延長して代数的な基底を作り, 最後一個以外からはられる subspace は codim 1 だが dense だね. これでどんな Banach 空間でもできる.
@Ara_1729 お風呂で気づきました! 代数的な操作については"いつでも基底が取れる"んですもんね! そこで最初に可算 subspace を貼るのはなぜですか?
@Lyirth 適当に基底とって一個残して subspace 作る時に, closed にならないようにすれば他の方法でも大丈夫
@Ara_1729 なるほど, すっごく納得しました. ありがとうございます, 勉強になりました.
さらっと例が作れるの, 格好いい.

2013年9月27日金曜日

Hilbert 空間メインの関数解析の初学には日合•柳の『ヒルベルト空間と線型作用素』をお勧めしたい

イケメンエリートのよぬすさんが線型代数のテキスト選定をしていたのでちょっと話してみた.
線形代数だとすると, テキストは何にすべきなのだろう......
@Yonus_Mendox ヒルベルト空間論とか読めばいいのでは
@phasetr いえ, 初めて学ぶひとと読むための本なので...... やっぱり一周して齋藤正彦でしょうかねえ. ──ところで, ヒルベルト空間論としては何を読めばよろしいのでしょうか.
@Yonus_Mendox 日合•柳のがすっきりしていて良い本です
@phasetr ありがとうございます. 作用素かあ......
@Yonus_Mendox ヒルベルト空間自体は簡単なので一般論としてはあまりやることないのです. 具体的なソボレフがどうの, とかいうことになると微分方程式などと絡めて色々やることありますが. 分かりやすい空間だからこそその上で作用素論などがうまく展開できます
日合・柳の本というのは『ヒルベルト空間と線型作用素』だ.

Hilbert 空間だけでなく Banach 空間の議論も少しある. 関数解析の基本定理が網羅されているので, 関数解析の本としても使える. 巻末の付録が尋常ではない程充実していて, Krein-Milman の端点定理や Riesz-Markov-Kakutani なども丁寧な証明つきで書いてある. Lebesgue が分かっていないとスペクトル定理の証明で少し詰まるかもしれない. 本のはしがきでも説明されているが, あえて作用素環には踏み込まずに基礎となる作用素論について説明している感じ. ただ, ところどころ, functional calculus や非可換 \(\ell^p\) としてのコンパクト作用素・ Schatten クラスなど作用素環でも大事な話は書いてある. 3 章のスペクトル定理と 4 章のコンパクト作用素, 付録をきちんと読めば元が取れる. 作用素論を専門にしようという人は作用素論の話題に特化した 5 章以降も読むといいだろう. 私は 4 章までしか読んでいないが, すっきりとまとまっていて非常によい本といえる.
Hilbert 空間と言えば我らが新井先生の『量子力学の数学的構造』があるが, 一般にはあまりお勧めしない.

I では Hilbert 空間の基礎からはじめて非有界作用素, 自己共役作用素, スペクトル分解まで議論する. II ではある程度具体的な量子系の解析と場の理論・量子統計で必要な Fock 空間の話をする. 関数解析入門にも使えるが, Banach 空間論はほとんど触れられていないのでそこについては本当に入門の入門くらいにしか使えない. 量子力学への応用に特化しているので非有界作用素の話が中心になるが, 必ずしも一般の数学でその作用素論をよく使うわけではない. 非有界作用素の議論はがかなり面倒なので, その辺を使わない人にはあまりお勧めしない. 一般の数学向けには用途には日合-柳の『ヒルベルト空間と線型作用素』がよい.
Twitter ではよく言っているが, 線型代数なら私は齋藤正彦の本が好きだ.

Amazon のこの書評は以前私が書いたものだ. こちらにも引用しておこう.
数学や他の分野の方々には申し訳ないですが, 物理の人間として書きます. 経験に照らしてみても, (非数学の) 初学者が気楽に読めるような本とはいえませんが, 非常に良い本であることは間違いありません.
(初等) 物理の中で線型性は非常に重要な概念です. まず, 数々の物理法則は微分方程式の形で書かれますが, 大抵は線型の微分方程式です. 例えば, 大抵の電磁気学の本は, 静電場を記述するクーロンの法則からはじまると思いますが, 重ね合わせの原理を用いて, 多電荷の系へ拡張し, さらに電荷が連続分布した系へと拡張していきます. このとき用いる重ね合わせの原理を数学的に述べると, 微分方程式の線型性です. また線型空間の理論は座標による表示を離れる, という幾何学的な面もありますが, これは物理法則の共変性を定式化する際に大事になってきます.
もっと本質的に線型性が出てくるのは現代物理の要たる量子力学です. 正確には量子力学で用いるのは無限次元の線型代数 (関数解析) ではありますが, 基本的な思想を学ぶには有限次元の線型代数 (本書の程度!) で十分です. 応用上も大事な正規作用素のスペクトル分解 (対角化と同値) について触れてあるのも嬉しいところです.
最後に行列の解析的な取り扱いがありますが, これには, そもそも行列の関数 (指数関数や対数関数) を定義する, という応用上も大事な議論が含まれています. たとえば, 量子光学で現れるコヒーレンスを扱うときなどに, これを知っていると, 戸惑いがなくなると思います.
かなりマニアックな話 (数理物理的観点) で恐縮ですが, Perron-Frobenius の定理の前に「工学や経済学への応用上重要」という説明がありますが, この定理は厳密統計力学への多数の応用があります. この定理には正値性保存 (または改良) 作用素の理論という無限次元版がありますが, これはたとえば, 汎関数積分 (経路積分) 法の威力を高めてくれます.
学部の 4 年にもなれば, 物理で線型代数が重要なことは身にしみて分かります. 特に量子力学においては決定的です. ある程度線型代数に慣れたら, 物理の人にはぜひともアタックしてもらいたい本です.

2013年9月17日火曜日

Gaussian superprocess and its application to Quantum Field Theory: Sasakure Seminar

先日, 東工大でささくれパイセンを主な対象として開催した小セミナーで, 「Gaussian superprocess and its application to Quantum Field Theory: Sasakure Seminar」というタイトルでお話してきた. Gauss 超過程は場の理論へ応用できるのだが, そこに関する話. 難しい話はせず, ボソン Fock 空間と緩増加超関数空間上の \(L^2\) (確率空間) のユニタリ同値性について話してきた. 幾何や数論への応用へもあるのでそこまでどうしようもないほどマニアックで孤立した話題でもない, ということも説明. これから研究でも使う予定なので, それに合わせて復習にもなった.

証明は飛ばし飛ばしだが, (可換) von Neumann 環を援用する, 確率論ではあまり見ないであろう話や, Gauss 超過程の存在証明などポイントポイントはおさえた話をした. Gauss 超過程の存在証明は Tychonoff から Hahn-Banach, Stone-Weierstrass を介し, 最後 Riesz-Markov-Kakutani で締めるという関数解析の至宝を並べた証明で, 解析陣の心を掴んだ.

まだ一本目すら出ていないが, これも動画 (DVD) にしたい. やりたいことがたくさんある. ご興味があるという向きはご連絡頂ければ適当にお話に行くことはできる.

2013年9月2日月曜日

有限次元線型位相空間の位相の入れ方: $T_2$ なら一意的

線型位相空間としての \(\mathbb{R}^n\) に入る位相について次のようなやりとりをし, 文献を教わった.
@phasetr @ilovegalois R^nに対しては実位相線形空間としての位相の入れ方は一意的です。 無限次元の時のみ問題になります。
@hymathlogic 証明どこにあるでしょうか。読んでみたい
@phasetr 帰ったら返信します。 (一意というのは正確には間違いでT_0なら一意です)
@phasetr http://www.math.ksu.edu/~nagy/func-an-2007-2008/top-vs-3.pdf これなんてどうでしょう
\(T_0\) とはいえ分離公理が効いているというの, なかなか戦慄させてくれる. というわけで Gabriel Nagy による Topological Vector Spaces III: Finite Dimensional Spaces を読み進める.
\(\mathbb{K}\) を \(\mathbb{R}\) または \(\mathbb{C}\) とした線型空間での議論をしている. 線型写像を基礎にして位相を議論していく.
In this section we take a closer look at finite dimensional topological vector spaces, and we will learn that they are uninteresting from the topological point of view.
そうだったのか.
Exercise 1. Show that the only other linear (non-Hausdorff) topology on \(\mathbb{K}\) is the trivial topology \(\mathfrak{T} = \left\{ \emptyset, \mathbb{K} \right\}\).
何だと.
Theorem 2. For a topological vector space \(\mathcal{X}\), the following are equivalent: (i) \(\mathcal{X}\) is finite dimensional; (ii) \(\mathcal{X}\) is locally compact.
Hilbert 空間ですら弱位相でないと単位球がコンパクトにならないのでその意味では関数解析を学んでいれば「自明」に近い事実だが, 改めて見ると衝撃的だ.

それはそうと, 山元さん, \(T_0\) という風に書いているが, この文献では \(T_2\) の枠内での議論だ. \(T_0\) で言えるのだろうか. あと, 線型位相は必ず \(T_2\) とかいう話だったろうか. 今すぐチェックする気力が出ないので, 今度確かめたいが, いつになることやらということで悲しみ.

$T_2$ というと我らが zena_mp さんに怒られそうな気もする.

2013年7月9日火曜日

何度も言っている線型代数と量子力学と関数解析と数理物理的なアレ

イケメンエリート野郎のオペのコンPが 次のようなことを言っていた. それに対していつも言っていることをまた言ってきた. オペのコンPにももう何度も言っている気がして申し訳無く感じてアレだった.
量子論を物理として理解するなら, 連続な場合は離散的な場合のアナロジーでいいので線形代数で十分では?
@kbl_30 大分前に Amazon の線型代数入門の書評にそれ書いておきました
@phasetr ねくちゃんが関数解析から攻めようとしていたので
@kbl_30 @phasetr アナロジーではなく関数解析でないとこまる, という場面はやはり出て来るのでしょうか.
@Yonus_Mendox @kbl_30 困るときは物理が悪い (物理的考察が甘い) と判断するべきです. むしろ関数解析をきちんと使って物理的に満足いく議論が出来る方が珍しいくらいなので, その意味でも数学的にどうこうというのはおすすめできることではありません
@Yonus_Mendox @kbl_30 ただ無限次元の線型代数として把握していれば色々なことを 統一的に理解できて楽な部分はあると思っているので, その辺について今度東大かどこかで話したい (そして動画化したい) とは思っています. 忙しくてそちらの話は全く進められていないのですが
@phasetr なるほど. 言い換えれば, 物理にとって関数解析は「無限次元の線型代数」に過ぎないので, 大抵はアナロジーで充分, ということになりますか.
物理を数学的に厳密に, とか息まく新入生などがいるかもしれないが, そういう人はとりあえず私を見よう. 物理も数学も中途半端な出来損ないの醜いキメラだ. こうなる覚悟がある者だけ数理物理に来よう. 来るなら歓迎はするが勧めることはできない.

2013年6月15日土曜日

問題:双対空間の塔が無限に生成できる空間の具体例の構成, $L^{\infty}$ の双対空間の双対空間は何か

ふと思い立って こんなツイート とか こんなツイート をしてみた.
【緩募】(無限次元の非回帰的な空間で)双対空間の双対空間, という系列が無限に続いていき,しかも具体的にそれが書き表せるような例 
【緩募】\(L^{\infty}\) の双対はRadon測度の空間だが,このRadon測度の空間自体の双対空間が何者か
この間床の中でこれらがふと気になって寝付けなくなって困った. 関数解析を学べば誰でも知ることだが, 具体例を作ったことがなくてこれはまずい, と思ったのだ. 前者については山元さんから 次のようなコメント を頂いた.
@phasetr 考えるのはノルム空間ですか? 
@hymathlogic 何でもいいです. 単純に例がたくさん知りたいのでむしろノルム空間の例もそうでない例も知りたいです 
@phasetr \(\ell^1\) はその例になっているようです。 (\(\ell^\infty\) より先の双対空間が)具体的か分かりませんが。 
@hymathlogic 何かに証明書いてありますか? 
@phasetr kunenの「set theory」の演習問題です(証明分かりません汗)。 
@hymathlogic 悲しみ. 何はともあれありがとうございます
自分で作れ, という話ではあるのだが, 何かご存知の方は教えて頂けると私がとても喜ぶ.

2013年4月24日水曜日

Twitter まとめ:汎関数と積分 Riesz-Markov-Kakutani の定理



積分は汎関数と思えるか, みたいな話をした. 前にも何回か書いたような気はするが, これは面白い話なので何度書いてもいいだろう. この辺 とか この辺.
「積分」を特定の関数空間に対する線型汎関数と定義するなら積分なんじゃないすかね(適当) 
@crobert_z 作用素環,特にvon Neumann環だと実際に汎関数を積分のように見ます. 可換だと本当に積分になりますし.特に【単調収束定理が成立する汎関数(正確には状態:作用素環の用語)】を正規状態と呼びます 
@phasetr やはりそうでしたか。可換だと関数環(でしたよね)になるから当然ですかね。ありがとうございます。 
State=積分ってのは知らなかったな。授業中聞いてなかっただけかも知れないけど() 
@crobert_z 状態は勝手に有界になってくれるのですが,(局所コンパクト)ハウスドルフ空間上の 連続関数環の正値有界線型汎関数はRiesz-Markov-Kakutaniで積分と思えるというのを使いますhttp://en.wikipedia.org/wiki/Riesz%E2%80%93Markov%E2%80%93Kakutani_representation_theorem 
@crobert_z あと正規状態とか非可換確率論とかで http://kaken.nii.ac.jp/d/p/61540138.en.html あたりも多少参考になるかと思います 
@phasetr Riesz-Markov定理は知ってましたがKakutaniの名前も付いてたんですね
詳しい話は Wikipedia を見てもらうこととして, Riesz-Markov-Kakutani はハイパー格好いい定理で, 関数解析のハイライトの 1 つなので, 関数解析を学ぼうという人は必ず勉強してほしい. 証明は例えば「ヒルベルト空間と線型作用素」の付録に書いてある.


証明は長いのだが, ポイントは連続関数と開集合に対する議論を緻密な解析で可測関数と可測集合に持ち上げていくところにある. 測度と位相の絡み合いが織り成す美しい定理であり, 証明だ. 実は「正値 (Schwartz) 超関数は測度である」という定理も同じように証明できる. こちらは例えば Lieb-Loss の本がある.


正規状態あたりの話も簡単に触れておこう. 上記 URL から引用しよう.
本研究は作用素環上の非可換確率論と非可換力学系を解明することを目的とした。 非可換の確率論・積分論は通常Von Neumann環(以下、V.N.環)上で定式化され、 確率測度または測度に相当するものとして正規な状態または荷重が用いられる。 状態または荷重がトレースとなる場合は従来より盛んに研究されている。 通常の古典的確率論はV.N.環が可換な場合として非可換確率論に包含される。
これも何度か書いている気がするが, 可換 von Neumann 環は \(L^{\infty}\) と同型になるので, 要は \(L^{\infty}\) だ. \(L^{\infty}\) は可測集合の情報を持っているので, そこから大体測度論やら確率論ができることになる. 一般の von Neumann 環は非可換なので, そこから単純に非可換確率論と言っている. 状態はノルム 1 の正値線型汎関数のことだが, 荷重は非負の元から \([0, \infty]\) への線型写像だ. むしろ状態はノルム 1 の荷重とも言える.

大体状態 (von Neumann 環の場合は正規状態) を考えていれば事足りるのだが, 冨田-竹崎理論などは荷重のレベルで議論できる. むしろ荷重での冨田-竹崎理論は, それで展開されていた竹崎先生の集中講義で聞いたきり使ったことがない. ただ, 比較的最近の代数的場の量子論では infraparticle の解析で荷重を使うらしい. 興味がある向きは Spectral Theory of Automorphism Groups and Particle Structures in Quantum Field Theory などを読んでほしい. 私はきちんと読んでいないので, 聞かれても困る. 教えてほしいくらいだ.

2013年4月9日火曜日

Hilbert 空間から始めるよく分からない数学のリアルセミナーをやりたいので東大数理各位にご協力頂きたい

この間 TL で新入生が線型代数何ぞ的なこと言っていたのもあるので, 新入生向けに線型代数の世界を見せたい. 私が話せるのは解析学周辺しかないが, ないよりはましだろう, ということで. 大体, Hilbert 空間と線型作用素を基本に話す予定. モチベーションを高めることを目的に概論的な話で 4-5 回くらいに収めたい. というわけで, 東大数理の学生で, 話すための部屋確保に協力して頂ける方を募集している.

  
やる予定の内容を書いておきたい. 基本的には抽象論をやる. 作用素論方面の話に行ってスペクトル定理くらいまでやりたい. 作用素環などで大事になる方向だ. 非可換幾何への展開でまた \(L^2\) などとの関係が返ってくる. あと, \(L^2\) のような話は具体的な話はもちろん大事だが, これはイントロで少し触れるだけにする.

まずイントロでする予定の話. 線型代数は (数学内部または少なくとも物理と物理に近い工学で) 役に立つという話はされるだろうが, あまり具体的な話はされない (時間がない) だろうから, その辺の話から入る. 新入生向けなので, まず Hilbert 空間は何ぞというところを話す. 高校でもやった三角関数の積分が実は Hilbert 空間で意味を持つというところ, 微分積分と線型代数の交点というか親玉みたいな話としての関数解析で大事な空間という話をする. また, 物理でそれなりに色々な数学が出てくるが, 線型代数という視点でクリアで統一的な理解ができるから大事だよ, 的な話をする. 微分作用素, 積分作用素の線型性とかも話す必要がある.

物理または工学上大事な数学的道具立てとして大事な微分方程式があるが, 初等的な方程式なら具体的に解ける. 「線型の微分方程式」という中で既に線型性が出ているので, そういうところで解析と線型代数の関わりみたいな話がしたい. これを解く中で現われる直交多項式の話の「直交」も線型代数由来の話で, これが Hilbert 空間の話という感じで. 量子力学の数学的構造 I の 1 章の演習問題にいくつか書いてあるので, 一応参考文献として挙げておこう.
  
また, Taylor 展開と作用素論ということで \(e^{ipx}\) の話もしよう. 簡単に説明しておくとこんな感じ. \(f(x)\) を原点周りで Taylor 展開するとこうなる: \begin{align} f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \left( \frac{d}{dx} \right)^n f(0). \end{align} どうでもいいが, 量子力学っぽく \(p = -i d/dx\) と書こう: \begin{align} f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{n!} \left( i p \right)^n f(0). \end{align} ここで指数関数の Taylor 展開は \begin{align} e^x = \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{n!} x^n \end{align} となる. ここで Taylor 展開の \(\sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{n!} \left( i p \right)^n\) は \(x\) に \(ip\) を代入したものと同じ形をしていることに注意して次のように書き換えてみる. \begin{align} f(x) = \left( e^{ipx}f \right) (0). \end{align} 指数関数に微分作用素を叩き込むという荒技を披露したが, 作用素論を使ってこれが正当化できます, みたいなことも言いたい. また, 作用素の指数関数 \(e^{ipx}\) は Taylor 展開で定義してしまうと解析関数に対してしか定義できないが, \(x\) だけずらす作用素と思えば一般の関数に対して定義できる. ここでユニタリ作用素とかそういう話になる. あと \(x\) だけずらす作用素 \(e^{ipx}\) の無限小生成子としての運動量という所から, 解析力学と量子力学の関係がどうの, みたいな話もちょろっと触れたい.

以上大体イントロで話す予定のこと. 2 回目から実際にもう少し踏み込んだ話をしていく. まずは Hilbert 空間自体の話をする. 「ヒルベルト空間と線型作用素」には Banach 空間の話もあるが, 時間的に多分カットだろう. 演習問題になっている定理にも少し触れたい. 完備性の話などもあるので, 証明もポイントをおさえて触れていきたい.

引き続き 2, 3 章を力づくでやっていく. 非有界作用素はゴツ過ぎて触れられないが, スペクトル定理はやりたい. スペクトル定理は無限次元版の対角化だ. スペクトル測度や解析関数カルキュラスとか出てきてやばいのだが, むしろ色々な数学との関係を話す機会として採り上げたい. Stone の定理と量子力学の話とかも一応入れる予定.

参考文献をまとめておこう. 1 つの展開としての作用素環方面, 特に (非可換) 幾何方面ということで, 数学会で PDF が公開されている 夏目-森吉 の「作用素環と幾何学」も紹介しておこう.

   

触れる予定はないが, 微分方程式関係と共に関数解析をやろうという感じの本も紹介だけはしておこう. こういう具体的な方から学ぶのが好きな人は頑張ってアタックしてみてほしい. また, こちらに興味があるという人は声をかけてほしい. トークしろと言われると困る部分はあるが, 一緒に勉強しようというなら時間さえ合えば付き合いたい. そしてプロデュースしたい.

  

2013年3月23日土曜日

Twitter まとめ:病的な数学と美しく健全な数学と


あとでご自身でまとめるようだが, ゼルプスト殿下が次のような呟きをしていた. この辺 から始まる.
昨日盛り上っていた「パソい位相空間」の話だけど、 公的見解としては「本当はパソろじい位相空間」という言葉を提案する。いっぽう、 
私的には、俺は「病的」という表現が好きになれないし、例としての異常さを主眼とした研究プロジェクトには乗る気はない。 いわゆる「メンヘラ」流行りも好きではない。 「心身の不健康」を売りにするのは、「心身の健康」を売りにするのと同じくらいくだらない。 
その一方で俺はカントール集合をはじめとするフラクタル図形が大好きだ。 それらは最初はたしかに病的な異常な例として提案されたものだが、俺はそういうものとして愛好しているのではなく、 あくまで理論的に有意義でおまけに美しい対象として追求しているつもりだ。
「選択公理のない数学に含まれる意外な結果」や「選択公理から導かれる意外な結果」についても同様。 
カントール集合がカントールとスミスによって独立に発見されるまで、 いまの言葉でいう「至る所非稠密」と「外容量ゼロ」と「カントール・ベンディクソン階数が有限」という概念を デュボアレイモンやディリクレといった一流の数学者といえども区別できていなかった。 
つまり「どんな小さな区間においても稠密ではない」けれども「孤立点がない」ような点の配置は、 1870年代前半までは、数学者の「健康な数学的直観」の射程にはなかったし、論理的可能性としても検討されていなかった。 
そして、不連続点の配置が、これら曖昧に同一視された「点の小さい集まり」に含まれるような有界函数はリーマン積分可能と信じられていた。 (以上はT.Hawkinsの本「Lebesgue's Theory of Integrals」による) 
そこへスミスとカントールがカントール集合すなわち「至る所非稠密な完全集合」をもって登場した。 そういう背景を考えれば、当時、カントール集合が「病的な例」とされただろうことは容易に想像がつく。 
しかし、スミスはたしか「小数点下に4が出てこないように10進展開できる実数の全体」を考えたのだから、 後知恵で振り返ると、それに先立つ世代の「健康な数覚による実在する数学的現象の直観的把握」のほうが片手落ちだったと言わざるをえない。 
まとめれば、カントールの「単位閉区間上の1が出てこないように三進展開できる実数の全体」が病的な例であったのは、 それ以前の「健康な数学的直観」にとってのみであり、 その後発展をみた測度論や位相空間論や力学系理論においては、カントール集合にはいたるところで出会うことになる。 
これ、あとでまとめて「昨日のて日々」に書くだ。 
「病的な例」のホームラン王たるバナッハ=タルスキの定理にしても、測度問題の発展史という背景において見るべきだと思う。 たしかに驚くべき例なのだが。 
つどいで市民の話を聴けなかったのは残念だが、それにはやむを得ぬ事情があったのだ。 
@phasetr そのファインマンの「経路積分」もその当時の数学の文脈ではトンデモあつかいだった。 けどそれを言ったらニュートンやライプニッツだってそうだし、むしろそういうものこそ数学の発展をリードするわけですからね。 
ニュートンvsバークリとかライプニッツvsニイエンティイト(と読むのか?)とか、あるいはカントールvsクローネッカーだってそうだけど、 批判者のほうが論理的に首尾一貫した堂々たる理論を展開できるのは、新しい理論の創造性のいわば代償のようなものなんだろう。
これに対して私の方からも適当に呟いておいたのをまとめてきたい.
私が好きなのは、普通に数学をやっているとなかなか出くわさない、またはある種異常な振る舞いをしてくる(物理由来の)対象、 またはある時点での「美しい数学」では捉えることのできない物理由来の変な現象が好き。 病的な例というより適当な意味で特異性のある話が好き。つどいでも少し話したが 
@phasetr つどいで少し触れたし、多分そのうちどこかで詳しく話すが、殿下の話、物理関係だと時々出てくる。 フォンノイマンはデルタ関数が嫌で関数ではないことの証明を本の中でわざわざ付けたらしいし、III型フォンノイマン環の物理でも大雑把に言って似た話がある 
@phasetr デルタ関数からは超関数論が花開いたし、日本からはさらに代数解析という最高レベルに貴族的で美しい数学が生まれた。 三型環には冨田竹崎という作用素環の至宝が生まれ、非可換幾何やそこと数論の関係でも使われる。
@phasetr その辺の「病的」なところを「綺麗」な数学にするみたいなことが私の数学的な部分のモチベーションの大きな部分になっている 
@phasetr 三型環だと極端な話がある。存在自体は分類がされた当初から分かっていたようだが、具体例が作れなかった。 具体例は相対論的場の理論と量子統計への応用で出てくるほぼ全ての環が三型だ、という形ではじめて構成された。 こういう話がすごい好き 
@phasetr フォンノイマンの論文に本当に書いてあるが、作用素環自体が量子力学への応用を念頭に見つけた理論だ。 あと作用素環で重要な線型汎関数に状態(状態空間というのもきちんとある)というのがあるが、この名前の由来も物理だ。 荒木先生だとか有名な人で物理出身の人も多い
超関数の話については Fourier との関係でこんな動画を作ったことがある. また冨田-竹崎理論についてもこんな動画 を作った. そのうち何かのつどいで経路積分の話などもしたい.

追記

knyokoyama さんから次のような補足ツイートを頂いたので載せておく.
ご参考:http://bitly.com/11yeIBJ 数学会誌に、河東先生の「荒木不二洋先生のフンボルト研究賞受賞に寄せて」という作用素環の話が書かれてます. 引っ張り出しました.
実際に III 型環の具体例が相対論的場の理論を使ってはじめて作られたという話が書いてある.

2013年3月21日木曜日

Twitter まとめ:零空間 N は (線型) 写像の核 ker だった悲しみ


ささくれ先輩がセミナーで喋っていたようなのだが, それについてブルブルエンジン兄貴と梵さんが Twitter 上で会話していた. 困っている人がいるかもしれないし, 折角なのでメモしておきたい. この辺 から始まる.
記号の使い方に非難でまくりのセミナー 
@alg_d 先輩のやつですか? 
@bonnou_bonjin はい。「作用素のカーネルはKerで」「カーネルはNだろなにいってるんだ!!」 
@alg_d 小文字のkerを使う方の市民 
@alg_d カーネルがNの気持ちがわからない人生だった・・・ 
@bonnou_bonjin それな 
@alg_d @bonnou_bonjin ゼロに落ちる的な意味でのnullのNから来ていると思っていたのですがどうなのでしょうhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%B6%E7%A9%BA%E9%96%93
@phasetr あーなるほどと思いながらも日常的に使っていないからカーネルはkerという感じが強いですね
私自身は核を ker と書く. これは新井先生の本の影響だ.



ついでにいうと, 像の方も Im や im ではなく ran と書く. ホモロジーあたりをやるとき, 時々こっそりと Im ではなく ran と書くのだが, これはこれで気持ち悪くて結局 Im とか書きつつ, 核だけは ker と先頭を小文字にしていたりする.

追記

Twitter で次のようなコメント を頂いた.
@phasetr kernelをNと書くのはフランス語のnoyau(核)に由来しているのでは?
よく分からないが確かにフランス語由来かもしれない. 実際, 整数の ℤ はドイツ語の Zahlen が由来だったはずだ. 何か文章にしておくと指摘をしてもらえるのは実にありがたい.