2013年4月24日水曜日

Twitter まとめ:汎関数と積分 Riesz-Markov-Kakutani の定理



積分は汎関数と思えるか, みたいな話をした. 前にも何回か書いたような気はするが, これは面白い話なので何度書いてもいいだろう. この辺 とか この辺.
「積分」を特定の関数空間に対する線型汎関数と定義するなら積分なんじゃないすかね(適当) 
@crobert_z 作用素環,特にvon Neumann環だと実際に汎関数を積分のように見ます. 可換だと本当に積分になりますし.特に【単調収束定理が成立する汎関数(正確には状態:作用素環の用語)】を正規状態と呼びます 
@phasetr やはりそうでしたか。可換だと関数環(でしたよね)になるから当然ですかね。ありがとうございます。 
State=積分ってのは知らなかったな。授業中聞いてなかっただけかも知れないけど() 
@crobert_z 状態は勝手に有界になってくれるのですが,(局所コンパクト)ハウスドルフ空間上の 連続関数環の正値有界線型汎関数はRiesz-Markov-Kakutaniで積分と思えるというのを使いますhttp://en.wikipedia.org/wiki/Riesz%E2%80%93Markov%E2%80%93Kakutani_representation_theorem 
@crobert_z あと正規状態とか非可換確率論とかで http://kaken.nii.ac.jp/d/p/61540138.en.html あたりも多少参考になるかと思います 
@phasetr Riesz-Markov定理は知ってましたがKakutaniの名前も付いてたんですね
詳しい話は Wikipedia を見てもらうこととして, Riesz-Markov-Kakutani はハイパー格好いい定理で, 関数解析のハイライトの 1 つなので, 関数解析を学ぼうという人は必ず勉強してほしい. 証明は例えば「ヒルベルト空間と線型作用素」の付録に書いてある.


証明は長いのだが, ポイントは連続関数と開集合に対する議論を緻密な解析で可測関数と可測集合に持ち上げていくところにある. 測度と位相の絡み合いが織り成す美しい定理であり, 証明だ. 実は「正値 (Schwartz) 超関数は測度である」という定理も同じように証明できる. こちらは例えば Lieb-Loss の本がある.


正規状態あたりの話も簡単に触れておこう. 上記 URL から引用しよう.
本研究は作用素環上の非可換確率論と非可換力学系を解明することを目的とした。 非可換の確率論・積分論は通常Von Neumann環(以下、V.N.環)上で定式化され、 確率測度または測度に相当するものとして正規な状態または荷重が用いられる。 状態または荷重がトレースとなる場合は従来より盛んに研究されている。 通常の古典的確率論はV.N.環が可換な場合として非可換確率論に包含される。
これも何度か書いている気がするが, 可換 von Neumann 環は \(L^{\infty}\) と同型になるので, 要は \(L^{\infty}\) だ. \(L^{\infty}\) は可測集合の情報を持っているので, そこから大体測度論やら確率論ができることになる. 一般の von Neumann 環は非可換なので, そこから単純に非可換確率論と言っている. 状態はノルム 1 の正値線型汎関数のことだが, 荷重は非負の元から \([0, \infty]\) への線型写像だ. むしろ状態はノルム 1 の荷重とも言える.

大体状態 (von Neumann 環の場合は正規状態) を考えていれば事足りるのだが, 冨田-竹崎理論などは荷重のレベルで議論できる. むしろ荷重での冨田-竹崎理論は, それで展開されていた竹崎先生の集中講義で聞いたきり使ったことがない. ただ, 比較的最近の代数的場の量子論では infraparticle の解析で荷重を使うらしい. 興味がある向きは Spectral Theory of Automorphism Groups and Particle Structures in Quantum Field Theory などを読んでほしい. 私はきちんと読んでいないので, 聞かれても困る. 教えてほしいくらいだ.

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