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2014年7月21日月曜日

立川さんの研究室紹介 YouTube がうさんくさくてとても素敵

立川さん, 本当に怪しくていい.

2014年7月13日日曜日

セミナー宣伝: 【数理物理物性基礎論セミナー】中山優(IPMU)「共形ブートストラップで理解する相転移と臨界現象」7月19日14:00 学習院大学南7号館101

超気になる.
概要から一部抜き出そう.



私たちの相転移と臨界現象の理解は新しい局面を迎えようとしています。


私が学生の頃勉強した熱力学の教科書に「3次元の磁性体の問題には、
1970年代以降「繰り込み群」という考え方からのアプローチが試みられ、
ある程度の描像は得られたが、
真の解決はいまだ夢想さえできない。」と記述があります。
本セミナーでは、まず、(3次元の)臨界現象に潜んでいる非自明な時空の対称性「共形対称性」を考え直すことから始めます。
なぜ繰り込み群の固定点である臨界現象にはスケール対称性だけでなく共形対称性が潜んでいるのか?
その対称性の起源と考えられる「局所繰り込み群」とは何か?
と言う疑問から、共形対称性がどのようにして臨界現象の普遍性を支配しているかを説明していきます。


超行きたいが予定があっていけない.
何という屈辱だ.

2014年6月29日日曜日

【【数学科の人間はこう落とせ】これが噂の「数学的告白テクニック」7選】を解析系数理物理学徒の視点から検証する

Twitter で見かけたので.



せっかくなので 1 つ 1 つコメントしたい.
物理学科から数学科に進学した解析学徒のコメントなので, その偏りについては注意して読んでほしい.


1.数式を送ってみる。


女子「 \(x^2+(y-\sqrt[3]{x^2})^2=1\) を図化してください。返事まってます。」
男子「おっと」


図化というの始めて聞いた.
「グラフを描け」とか図示なら聞くが.
私ならまずそこで戸惑う.
そして図示するのめんどい.
何か簡単に図にしてくれるソフトもあるが, 使い方を調べるのもめんどい.
あと, 代数曲線っぽい感じが恐怖を感じるので本当にやめてほしい.



2.限りなく近づいてみる。


女子「あなたに限りなく近づきたい。」
男子「収束は僕の家でいいのかな?」


位相がわからないから収束先が一意かもわからない.
接近速度 (の時間変化) も気になる.



3.幾何学は目視から


女子「直感で相似だと思いました。」
男子「互いにね。」


まず「幾何学は目視」というのがまずやばそう.
何が相似で、そして互いに相似だと
(恋愛的に) どうよいのかが全く分からないので
各種定義がほしい.
数理物理学徒に対しては極めて難解で優しくない表現であり,
非常に印象が悪い.



4.誰でもわかる高校数学でも喜びます。


女子「何度やってもあなたと私の2次方程式の判別式は負になってしまうんです。」
男子「愛があるからだね。」


「誰でもわかる」というのが真実なら嬉しかったのだが,
そういう嘘はよくない.
極めて心象が悪い一言だ.
「あなたと私の2次方程式」というのも意味がわからないし,
何より計算のたびに結果が変わることを暗に主著している気もするが,
それ, 非常に困るのでは.
径数に乱数でも仕込んでいるのか.
それ, 高校の範囲か.



5.ダイレクトに伝えてみる。


女子「私とeのx乗を不定積分しませんか?」
男子「喜んで」


※
[eのx乗を不定積分]
↓
スクリーンショット 2014-06-21 16.25.56
スクリーンショット 2014-06-21 16.26.54
↓
[Sex]


スクリーンショット 2014-06-21 16.27.05
↓
「いーえっくすたすしー」
↓
「えくすたしー」


我々は英語や国語をやっているのではない.
数学をやっている.



6.果敢に新定理にチャレンジしてみる


女子「どんなに大きな数になろうと、600の区間に2つの素数が含まれている場合があるんですって。いつもは一緒にはいれないけど、いつまでも一緒んいたいです。」
男子「互いに素でもよろしければお願いします。」
※素数の間隔で新定理発見 極端な偏りなく分布


誰もかれも数論に興味があると思わないでほしい.
私自身, この辺はよくわからないのでまず定理の説明をきちんとしてほしい.
そして女子の発言, 前半から後半にどう繋がるのかわからない.
この女子, どこまでも数理物理学徒には優しくないらしい.
世界の厳しさを痛感する.



7.素数の組み合わせで思いを気づかせる。


女子「私が5ならあなたは11。私が7ならあなたは13。では私が191ならあなたは?」
男子「197でお願いします。」
※差が6の素数の組をセクシー素数と呼びます。(ラテン語で6は「sex」)


だから誰も彼も数論に興味があると思うなと何度言えばいいのか.
今日も社会は厳しかった.

追記


関係あるかどうか知らないが次のようなご意見を見かけた.



割と真剣に, 数学よりもっと役に立つこと, 法律や経済などを勉強した方がよいと思っている.

追記その 2


Twitter で鍵アカウントの幾何専攻の方からいい話を聞いてしまった.
低次元の図を描いてみて直感でホモトピー同値だと思ったというのは意外とあるかもしれないこと,
そして東大数理に古田幹雄先生という幾何の教官がいるのだが,
古田先生も低次元でもまずはなんとか絵を描いて見ることをよく推奨していたとのこと.


ホモトピー同値を相似というのも無茶苦茶だが,
一般向けに語ることを考えれば仕方ないのかもしれない.

2014年6月24日火曜日

数学するときにはいつも非自明な例を作ろう: 悲しみをこれ以上生み出さないために

あまりにもつらい.



あと面白かったので, ついでに関連する話題を集めておく.
えみーさんと H_H さん.


あともう 1 つの悲しみ.


ちなみに私の分野は非自明な例を作ることそれ自体が研究テーマだとも言える.

2014年6月22日日曜日

研究者はもっと研究対象に対する個人的な感慨を公にしていってほしい

立川さんのいい話.



人によってまたいろいろ変わるところだが, こういう個人的な感慨はどんどん公にしてほしい.

2014年6月8日日曜日

作用素環周辺の数学・物理・数理物理の話:表現論とか何とか

久々に物理に近いところの話をしたので.


\(p\) 進大好き bot と.



純粋状態って言うと, 「物理の純粋状態」と「物理の純粋状態 2 つの pairing で表される作用素環の純粋状態」のどっちのことか分からんな.
両者は違うものだよね?


@non_archimedean よくわかっていないのですが後者, 必ず作用素環的な純粋状態になるのでしょうか.
「物理の純粋状態」の定義も気になるところですが


@phasetr 物理の方は物理量を表現する作用素が作用しているヒルベルト空間の正規ケットベクトルのつもりでした.
それのコピーの (と書き忘れました) 2 つのブラケットで表される作用素環の純粋状態とどう対応するのか,
という話ですが, 冷静に考えて GNS 構成がありましたね.


@phasetr 暗に「物理のヒルベルト空間は可分である」ことを課して書きました.
非可分なときも純粋状態が正規ケットベクトルだと思っていいのかよく知りません.


@non_archimedean 適切な回答になっているかよくわからないのですが考えをブログにまとめておきました
http://phasetr.blogspot.jp/2014/05/p-bot.html


@phasetr どうもありがとうございます!
また言葉足らずだったのですが, 僕が作用素環論と比較したのは,
物理量が有界な領域でしか値を持たない状況のみを考えていたからでした.
つまりここで対応する作用素環は物理量が表現する有界作用素が生成する最小の C*環の意味でした.


@phasetr 量子論的には非有界な物理量のほうが自然だと思われますが,
非有界物理量を集めても作用素環にはならないため作用素環的な純粋状態が定義できるかよく分からなかったです.


@non_archimedean 代数的場の量子論の物理サイドの定式化からすると,
実際には有界な範囲でしか観測できないのでその現実を取り入れた理論, と言う言い方をします.
数学的実対応としては \(e^{itA}\) とかレゾルベントを考えることで非有界 (自己共役) 作用素を有界にします


@non_archimedean レゾルベントの方は数年前に Bucholz が少しやり始めましたがやっている人はほぼいません.
指数に載せる方を Weyl 代数といって, いわば代数解析にもある Weyl 代数の無限変数版です.
表現論的に微妙な問題があって同じとは言いづらいですが


@non_archimedean あまり多くはないですが,
定義域などを適当に制御した非有界作用素がなす環それ自体を研究している人もいます
http://kaken.nii.ac.jp/d/r/00161795.ja.html


@phasetr 定義域を制限する定式化もあるのですね!
レゾルベントで非有界作用素を見るのは古典的なボレル関数解析がそうなので結構歴史が深そうですね.
Weyl 代数というのは初めて聞きました.


@non_archimedean 定義域の制限は, 量子力学で言うなら \(C_c^{\infty}\) が大体の作用素の共通の定義域に取れることをイメージしつつ,
場の理論でもある程度そういう風にできる話はあるからそれを使ってやってみようという感じです


@phasetr 「大体の」というところがどことなく深いですね.
物理量はおおよそ可微分緩増加関数や微分作用素の組み合わせになるといった感じの経験則がありそうですね.
(フラクタルのように各点微分不可能な関数に対応するような物理量があっても面白そうですが)


@non_archimedean クーロンポテンシャル \(1/r\) とかレナード=ジョーンズ・ポテンシャル \(r^{-12}-r^{-6}\),
2 体系のクーロン相互作用 \(1/|r_1 - r_2|\) などがあるので微分可能性が必ずしも期待できず適当な特異性を持つことはよくあります


@phasetr あ, それくらいの特異性についてはあまり気にしていませんでした.
実は最近, スピン構造付きリーマン多様体 (≒重力場 + スピン場) を量子化して \(Z_p\) が得られる的な論文を読んでいて,
そこでは可微分関数に類するものがないので物理量が激しくガタガタ動く感じだったので.


@non_archimedean 私の分野だと非有界作用素のさらに無限和 (粒子が無限個あるのでクーロンだとしてもその無限和が出てくる)
とかそういう部分の制御で手一杯で, そこまで突っ込んだことができていません.
あまり面白い方向の話に乗れず申し訳ないのですが


@phasetr さらに無限和ですか・・かなりハードな解析ですね.
それでもとても参考になりました.
ありがとうございます.


あなちゃんと.



そういえば Entanglement Entropy って C^*環の言葉で定義されてるの


@anairetta 調べといて教えてね


@ad_s_c 数学的にも面白そうな気がしますよね. とうことでよろしくお願いします.


@anairetta @ad_s_c http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1859-05.pdf
量子スピン系くらいなら一応あるにはあるらしいですが,
物理で期待されるレベルの理論が展開できているかはかなり怪しいのではないでしょうか.
いつもの話ですが


あなちゃんその 2.



え, 難しいんですか. . .


@anairetta かなり雑ですが少し書いておきました
http://phasetr.blogspot.jp/2014/05/p-bot.html
難しいと言うより物理の定義をきちんとうまく吸い上げられる純粋状態の数学的な定義がよくわからないと言う感じなのではないかと


@anairetta 最近, 田崎さんも論文を書いていたりしますが,
量子統計で純粋な平衡状態とかあるのでそういうのもきちんと勉強しないとアレっぽいと思いつつ全く出来ていないのでうまく説明出来ないのですが


@phasetr 量子統計の方では, 考える環を「マクロ物理量のなす環」に制限すると熱平衡状態が純粋状態として表せる,
という話があると聞き及んでいますが, その時の純粋状態というのはヒルベルト空間の元に対応するもののことをいっているはずで, (つづく)


@phasetr このときは 環が小さすぎるせいで熱平衡状態と区別できない純粋状態を構成できてしまう, ということですね.


@phasetr 数学的にどうなっているのかよくわかりませんが,
たぶん環 \(A\) の \(B (H)\) への表現をとってきたときに,
等価なものの間で \(A\) の純粋状態が \(H\) のベクトル一つでかけたりかけなかったりする, ということだと思います.
たしかに一般の \(A\) にここらへん状況を調べるのは難しいでしょう.


@phasetr 僕が気にしていたのはたぶん環が \(B (H)\) そのものである場合なんだと思います.
その場合には by def な気がするのであのような発言をしてしまいました.


@anairetta ありがとうございます.
量子力学の場合だと環が \(B (H)\) 全体と思ってやってもある程度どうにかなる部分はあるらしいのですが,
場の理論だとそれがまずいとか言う話で, いまだに (私が) あまりきちんとわかっていないと言う状態です


@anairetta 私はあまり一般の環には興味なくて,
具体例に対する環というか表現と言うかもっと強く作用素論に興味があるのですが,
まず最低限必要な基底状態・平衡状態きちんとありますかレベルの研究なので,
そんな詳しい所まで研究進んでいないと言うイメージです


@phasetr 場の量子論だと赤外紫外の正則化がいるので, 簡単にいかないことは想像がつきます.
エンタングルメントエントロピーのほう, 資料ありがとうございます.
こちらは場の量子論の場合は物理レベルでも満足の行く定義がない状態なので数学としてはどうしようもないだろうと.


いろいろ思うところはあるが結局これなのだ.



数論方面と言うか他の分野の数学, 格好いい話がいろいろ出てくるようで羨ましい.
それでも一番知りたい, やりたいのはあくまでも今やっている死ぬほど地味なことだが.
一度気になってしまったらもう駄目なのだ.
そういうものらしいのだ

2014年5月20日火曜日

The Elements of Style: 英語書くときの参考にしよう

The Elements of Style.



英作文の続き.
英文を書くときに参考になる定番テキストの 1 つが"The Elements of Style".
安いし, 薄いし, これは 1 冊持っておいていい.
http://www.amazon.co.jp/gp/product/020530902X


.@DreamChaserJPN 英語の青空文庫みたいな Project Gutenberg に
HTML/epub 版の Elements of Style があります http://www.gutenberg.org/ebooks/37134


@shima__shima 情報ありがとうございます. これは知りませんでした.


"@DreamChaserJPN: 英作文の続き.
英文を書くときに参考になる定番テキストの 1 つが"The Elements of Style".
安いし, 薄いし, これは 1 冊持っておいていい.
http://www.amazon.co.jp/gp/product/020530902X"
kindle 版が安いっすね. 97 円


大分前に買うだけ買ってなくしてしまった.
最近英文書く機会を意図的に増やしたので読み直したい.

2014年5月11日日曜日

「はるか彼方からの光芒を信じ, 膨大な計算を遂行し尽したときに初めて地平が見えてくるようなハードな解析は解析学の真骨頂であろう」

格好いい.



ここで高橋陽一郎氏によるクッソかっこいいメッセージをお読みください
http://mathsoc.jp/publication/tushin/1204/takahashi12-4.pdf


遥かなるハードアナリシスに対する憧憬を謳っている.
皆, とにかく上記 PDF を読むように.
いくつかウルトラ格好いい文章を引用しておこう.



はるか彼方からの光芒を信じ,
膨大な計算を遂行し尽したときに初めて地平が見えてくるようなハードな解析は解析学の真骨頂であろう.
ハード・アナライザーたちの数ヶ月からときには数年に及び,
岩に穴を穿つような計算を続行するその強靱な精神力と体力には畏敬の念を覚える.
不幸にしてその途上で力尽き果てた人もいた.
畏敬とともに深い哀悼の念を表する.



しかし, 例えば, モーメントの評価や相関関数の評価などのようなわずかな手掛りを頼りに必ず道が拓けるとの信念のもと,
恐ろしいほどのハードな計算を遂行し切って, 数学に新たな地平を切り拓くハードな解析はやはり解析学の真骨頂である.


どれだけハードアナリシス格好いいの, という感じ.


ここで出てくる T. Hara は九大の腹隆さんで,
田崎さんの共同研究者というか知人というか大学時代の友人的なアレだ.
田崎さん, 原さんともに私が所属している分野,
厳密統計力学・構成的場の量子論の先達だ.


この間ブログにもまとめたが, 原さんは 2013 年の Summer School 数理物理で講師になっていて,
そのときの話で提出した D 論は 500 ページ, 証明の細部まで書いた分は 2000 ページになったと言っていた.


今の私としては, ハードでもソフトでも何でもいいから,
とにかくきちんと論文を書いていくことを目標にしたい.

2014年5月9日金曜日

RIMS での「量子場の数理とその周辺」という研究会, 超行きたい

量子場の数理とその周辺という研究会があるという.



量子場の数理とその周辺
部屋:111 期間:2014-10-06~2014-10-08
代表者:新井 朝雄 (北海道大学理学研究院 )


超行きたい.
参加したことないからわからないのだが, こういうの参加登録とかいるのだろうか.
新井先生に相談してみるか.
あといい加減計算というか研究を進めたい.

2014年5月5日月曜日

可微分おっぱいのアレの前哨戦も兼ねてこの間のセミナーでやった線型代数入門の内容を Kindle で出してみる

可微分おっぱいのアレの前哨戦も兼ねて.



いま新入生向け線型代数セミナーでやった内容を Kindle で出そうと思って
https://github.com/phasetr/kindle-linear-algebra-for-newcomers をやっている.
販売するが, 内容自体はフルオープンでやる.
Kindle は宣伝に使うイメージでやってみる


@phasetr https://github.com/phasetr/kindle-linear-algebra-for-newcomers に epub ファイルを置いてみた.
実際に Kindle に出す前にチェックして頂ける方がいればご確認頂きたい.
式 (の画像) が小さいとかそういう欠点が既に分かっている.


本体の epub ファイルは build/epub/kindle-linear-algebra-for-newcomers.epub に置いてある.
ご協力頂ける方は是非お願いしたい.
これもそのうち DVD にしたい.

物理の純粋状態と作用素環の純粋状態: $p$ 進大好き bot とのやり取り

長くなりそうなので返答というか考えをブログにまとめる方の市民.
次の \(p\) 進大好き bot とのやりとりなのだが.



純粋状態って言うと, 「物理の純粋状態」と「物理の純粋状態 2 つの
pairing で表される作用素環の純粋状態」のどっちのことか分からんな.
両者は違うものだよね?


@non_archimedean よくわかっていないのですが後者, 必ず作用素環的な純粋状態になるのでしょうか.
「物理の純粋状態」の定義も気になるところですが


@phasetr 物理の方は物理量を表現する作用素が作用しているヒルベルト空間の正規ケットベクトルのつもりでした.
それのコピーの (と書き忘れました) 2 つのブラケットで表される作用素環の純粋状態とどう対応するのか,
という話ですが, 冷静に考えて GNS 構成がありましたね.


@phasetr 暗に「物理のヒルベルト空間は可分である」ことを課して書きました.
非可分なときも純粋状態が正規ケットベクトルだと思っていいのかよく知りません.


私が知っている \(\mathbb{C}\) 係数の作用素環では基礎となる
Hilbert 空間に可分性を課すのでここでもそれを仮定しよう.
むしろそこでしか考えたことがないので, 外れたときに起きる現象は全くわからない.


その上で, 一般的には両者は違うはずだが,
ではどう違うのかというのが (私は) 全くわかっていないという話をこれからする.
特に後者は言明「物理の純粋状態 2 つの pairing で表される作用素環の純粋状態」自体が
正しいのかもよくわかっていない.


それでまず作用素環の純粋状態だが, 作用素環を指定した上でその状態空間の端点という定義なので,
作用素環自体を指定しないと始まらない.
物理の純粋状態, この意味だと数学的な定義は不明といっていい.
ある Hilbert 空間でのケットが「純粋状態」 (線型結合でない 1 つのベクトルとして書ける) だからといって,
それが別の Hilbert 空間で「純粋状態」になっているとは限らない.


有名な例がある.
何でもいいが, 可分な Hilbert 空間 \(\mathcal{H}\) 上のトレース \(\mathrm{Tr}\) を考える.
(いわゆる「有限温度での平衡状態」を考えているといってもいい. )
これは Hilbert-Schmidt 作用素の空間 \(C^2 (\mathcal{H})\) では「純粋状態」として書ける.
もちろん GNS だといってもいい.
そして \(\mathrm{Tr}\) は正規直交系の線型結合になっているベクトルから作れるから,
物理の意味 (先程書いた通り数学的に正確な定義はよくわからない) では「純粋状態」ではない.
ただ, GNS で移った先では物理の「純粋状態」から作れる.
こういう場合の処理のため, 作用素環的な純粋状態は環 (正確には表現か?) をきちんと指定することになっている.


あまりきちんと考えたことがないので,
物理の「純粋状態」から作用素環の純粋状態を構成するためのきちんとした条件と,
その具体例をあまりよく知らない.
Bratteli-Robinson の定理 2.3.19 など,
状態が純粋であることとその GNS 表現の既約性が同値であることくらいは知っているが,
具体的な例できちんと調べたことがない.
物理の「純粋状態」は作用素環の指定なしでやっているので,
その辺をどう思うのかがよくわからない.


これも具体的にきちんと調べたことがないのだが,
平衡状態 (正確には KMS 状態) に関する「端点分解」もよくわかっていない.
通常通り考えている von Neumann 環が単位元を持つことを仮定しておくが,
そのとき KMS 状態全体も凸集合で weak*-compact になる.
つまり KMS 状態内で端点分解できる.
Haag の Local Quantum Physics ではこの端点への分解を
pure phase decomposition と呼んでいるが, これの具体例での検証
(どういう現象が起きるか調べる) をやったことがない.


今更ながらだが, 問題としてどう正確に定式化したらいいのかという部分からして
そもそも難しいのかもしれないし, 問題の立て方もどう立てるといいのかがよくわかっていない.
何というか, 「物理×数学」という非可換代数を想起した.

2014年5月4日日曜日

「ポスドクは誰でも ポストをさがす 旅人のようなもの 希望の大学に めぐりあうまで 応募し続けるだろう きっといつかは 君も出会うさ テニュアポストに」

かわずさんの次のツイートに触発された.





ひとわだれでも!!!!!しあわせさがす!!!!!!!たびびとのようなもの!!!!!!!!!!!!!!!


ささきいさおになりたい


そしてこれ.





人は誰でも 研究テーマをさがす
ポスドクのようなもの
希望のテーマに めぐりあうまで
歩き続けるだろう
きっといつかは 君も出会うさ
青いテーマに





学生は博士課程をぬけて 学術界の闇へ
先人の屍の山と血の池地獄が散らばる無限の宇宙さ
星の架け橋 わたってゆこう


ポスドクは誰でも ポストをさがす
旅人のようなもの
希望の大学に めぐりあうまで
応募し続けるだろう
きっといつかは 君も出会うさ
テニュアポストに


@phasetr ポスドクは銀河をこえ
さいはてめざす
テニュアポストは宇宙の 停車場なんだ
君を招くよ 無限の事務作業が


むしょくはかせの 澄んだ瞳に
生命(いのち)が燃えているよ


@phasetr 素数の歌を くちずさむように
歩き続けるだろう
泣いてるような 星のかなたに
テニュアポストが


@phasetr 人は誰でも ポストをさがす
ポスドクのようなもの
希望のポストに めぐりあうまで
歩き続けるだろう
きっといつかは 君も出会うさ
テニュアポストに

「世界を救うような大きなことをなしとげるのは、遊び人のハートを持った人々だ」

これは面白い.



DQ7のストーリーをぐぐったりしてみたらすごく面白い記事を見つけた
http://kanoh.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-9188.html


記事が数回にわかれて書かれているのだが,
消失対策に手元に全文保存しておきたいレベルで面白い.



●遊び人たちは世界を動かす


どうやら、
「世界を救うような大きなことをなしとげるのは、遊び人のハートを持った人々だ」
という基調が、ドラクエ7にはあるみたいなのです。


これ, いかにして人は微分可能なおっぱいを手に入れたのか を
まとめあげろという天の啓示と理解して積極的にプロジェクトを進めていきたい.

2014年3月31日月曜日

「心配すんなよさやか. 独りぼっちは, 寂しいもんな……. いいよ, 一緒にいてやるよ……さやか……」

Ask.fm から. まずは質問.



世界中にいるであろう数学・物理にその人生を燃やしている人達へのエールを一つお願いします.


回答.


学問が何より一番大事なのでまともな人生は諦めて下さい.
あと「心配すんなよさやか. 独りぼっちは, 寂しいもんな…….
いいよ, 一緒にいてやるよ……さやか……」. ということで
私もまっとうな人生は諦める方向で進むのでどうぞよろしく

2014年3月30日日曜日

数理物理の魅力と相転移の魅力: 数学と物理と数理物理と

Ask.fm から.
まずは質問.



二つの質問になってしまいますが,
主観的なもので結構ですので,
数理物理の (特に物理や数学それ自身と比較しての) 魅力および相転移現象の魅力がどこにあると感じてらっしゃるのか教えていただけませんか.


今考えるとあまりきちんと回答していない気もするが
とりあえず回答.


数学と物理, 両方好きで両方やりたいという単純な所です.


もちろんどちらか一方でも死ぬほどきついので,
本当に「研究」しようというなら,
どちらも半端な出来損ないになる可能性を視野に入れつつ
それでも踏み込む決意と覚悟が必要ですが.
もうあまり詳しく覚えていませんが,
相転移は大体田崎さんの影響です.


数学的には「特異性の数理」が非常に好きです.
色々あって学部一年の頃から数学的には超関数だとか
ある意味でかなり特異性の強い数学とずっと戦っていて,
結局今でも「場の理論の超関数論」と銘打って研究しているので
三つ子の魂百まで感あります.


話がずれましたが, 興味だけなら代数幾何の特異点論とか,
ブラックホールだとか, 特異性が絡む話は大体何でも興味があります.
極限で特異性が出てくる現象がとても好きで,
熱力学的極限とそこからの相転移がとても気にいっています.
相転移をやるなら人類が最大精度で扱えるのが
磁性関係だから磁石を扱う方向に行ったと言う非常に単純な動機です.


もちろん水が凍るとかもやりたいですが, アレは即死レベルだし,
シュレディンガーで磁性も即死コンボです.


磁性だととりあえずイジングですが, イジングは
(相対論的) 場の量子論の繰り込み処理との関係もあり,
数学的に量子統計と場の理論の相性がいいこともあって,
手始めにやりやすいところから, と思って
場の理論方面の勉強をしていて, 相転移自体とは
大分離れた赤外発散を修士では主に勉強していたのですが,
修論の為のネタ探しで考えたら一応磁性もできるわ,
と言う感じで磁性 + 赤外発散みたいな
特異性に特異性が重なって死ぬほど面倒臭い代わりに
趣味ばっちりな所を見つけたのでそこで今も
色々やっています.


物理的には素直な拡張でも数学的には全く
別の話を絡ませたりしなくていけなかったり,
逆に数学的には共通部分が多いのに物理としては
ちょっと遠目の所にアプローチできたりするのが
今の分野の面白いところですが,
一旦話が難しくなりすぎて死んだ分野なので,
一般にはお勧めしていません.


ただその分やっている人も少ないので,
すぐに世界のトップ 10 くらいに入れますし,
実際に多少しぼるだけでいわゆる
オンリーワンでナンバーワンにもなれます.


大学のアカポスゲット的な意味でこのご時世に
いい結果がすぐに出る保証は全くできないので,
決しておすすめはしませんが.

2014年3月28日金曜日

Github を使った数学・物理の教科書のソーシャル執筆をはじめよう

ちょっと実験してみた.



そういえば, 今割とまじめに Github を使った数学・物理の教科書のソーシャル執筆的なことを考えている.
物理学科の人なら物理的な説明がほしかったり, 自然言語処理の人なら統計学などと絡めた説明がほしかったり,
自分が得意な言語による数値計算例がほしかったりすることがあるだろう


@phasetr それを Fork の形で自分用にカリカリにチューンアップしたり,
さらにそれを pull request で本体にも取り込んだりとかしていけば相当面白いことができるのでは, と超楽観的に考えている


@phasetr あと, 必要な範囲での数値計算プログラミング, JavaScript による簡単なアニメーション・シミュレーションも入れていきたい


@phasetr https://github.com/phasetr/math-textbook 第一弾をプッシュしてみた。


リポジトリは ここ にした.
ご興味がある方はチェックして頂きたい.

量子力学の数学に関する文献など: あとセミナーもしよう

また Ask.fm.
質問はこれ.



量子力学の数学的な基礎を勉強したいのですが,
どのような分野を勉強すれば良いのか教えてください.
ご面倒でなければ参考になる本についても教えていただきたいです.


色々なところで言っていたりするのだから
それ見てよ, という気もするが, 一応回答.



量子力学の数学的基礎も超大雑把に言って,
作用素論系と偏微分方程式系に別れるような感じがあります.


私がやっているのは作用素論・作用素環系ですが,
それについては例えばニコ動に置いてある http://phasetr.com/services/niconico/ の
量子力学・量子統計周りの話を眺めてみて下さい.


参考文献ですが, 作用素論系では
http://phasetr.com/services/references/ にある
新井朝雄先生の本がベストです.


微分方程式関係だと Lieb がリーダーです.
Lieb-Loss の Analysis が基本的な文献と言っていいでしょう.
量子力学というより量子多体系, 量子統計の色彩が強いですが,
The Stability of Matter in Quantum Mechanics もお勧めです.
ちなみに両方とも新井先生の本ほど簡単ではありません.
とくに Analysis は関数解析くらい知っている, と思って
読んでいると痛い目を見ます.


色々な不等式の最良定数評価がかなり早い段階から出てきて,
前から順番にきちんと読もうと思うと 3 章が
最良定数含め, とてもきついです.
面白い本ではあります.


あと, 作用素論との関係が強い (作用素論的性質の解析に使う) という
イメージがあるのですが, 確率論からのアプローチもあります.
これも新井先生の本をまず読むのがいいです.
その次は Simon の本あたりでしょうか.


場の理論に行くなら Betz-Lorinczi-Hiroshima を読まねばなりませんが,
これはかなりきついです.
確率弱者の私は読めません.


関東近郊の方なら適当にゼミやるのに誘って頂ければ,
話す方含め相談のります.


Twitter でもいいですが, メール phasetr@gmail.com にでも
適当にご連絡・ご相談頂ければ.


メルマガの方で時々触れることを考えているので,
ご興味ある向きは ここから 登録されたい.

2014年3月22日土曜日

楕円型正則性と水素原子の量子力学

こんな下らないことを呟いていた.



地味で清楚系と思っていた楕円型非線型偏微分方程式の解が実は解析的にめちゃくちゃ特異的で騙された


よく知らないが, はてなの匿名ダイアリーとか何とかいうのでまた異常者が湧いていたらしく,
それに憤慨している方々がいた.
そこの流れを見てのことだ.


それについて こんなコメント がついたので.



いや, それ自明…


@world_fantasia http://en.wikipedia.org/wiki/Elliptic\_operator#Elliptic\_regularity\_theorem
楕円型正則性を背景にしたネタです.
私が知っているのは線型の方の楕円型正則性で非線型の方はよく知らないのですが


@phasetr なるほど, 分からん.
かいつまんで言えばある物理的条件のもとで連立非線形偏微分方程式を解くというのが私の修論だったんですが,
解析解が出そうででなくて苦しかった


@world_fantasia 簡単にいうと, 楕円型の方程式の解は 2 回微分可能であれば十分なわけですが,
実際に解の性質を調べてみると 2 回よりも多く微分出来て,
場合によっては無限回微分可能, さらには実・複素解析的になることすらあると言う話です


@world_fantasia 具体例としては複素解析関数です.
コーシー・リーマンの方程式からラプラス方程式 (一番単純な楕円型) の解になることが分かりますが,
コーシー・リーマンがバックにあるならこれが複素解析的 (実部・虚部だけならそれぞれ実解析的) なのでそんな感じの話です


@phasetr あ~, なるほど.
わざわざ具体例まで挙げていただいてどうもありがとうございました


@world_fantasia あと全くの別件ですが, 解析解というの, 多分物理ジャーゴンで数学の人には通じないです


@phasetr それは興味深い.
まさか解析解が物理語だったなんて今の今まで全く知りませんでした


@world_fantasia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%A3%E6%9E%90%E7%9A%84
【解析解: 問題が「解析的に解ける」とはその解が既知の函数や定数などを用いて閉じた形の式に表せることを言う】と言う感じの使い方と思いますが,
数学でこういう使い方見たこと聞いたことないですね


@world_fantasia 【解が (実・複素) 解析的である】とかいうのはもちろんしょっちゅう使いますが


@world_fantasia もう一つついでに楕円型正則性についていうと, 水素原子のシュレディンガーが特徴的です.
楕円型正則性を議論するのには係数関数 (今はポテンシャル) の正則性も効いてきます.


@phasetr 言われてみれば確かに物理数学の教科書でも解が解析的あるって表現はよく見かけますが「解析解を求める」なんて文章は読んだ覚えがないな…なるほどなるほど


@world_fantasia 水素原子は厳密解が出ますが, ポテンシャルの原点特異性を解も引き継いでいます.
一方でポテンシャルは原点以外で滑らかですが, 解も同じく滑らかになります.
もちろん一般にはラプラシアンの係数関数 (実際は定数) の滑らかさも当然効きます.
そういう話です


@phasetr うおー, 段々私の学力じゃついていけなくなってきたぞ.
水素原子のシュレーディンガー方程式とか厳密に解ける唯一の例っていう程度の認識しかなかった….
数物は難しいのう


@phasetr とりあえず貴方様が何故「楕円型」を連呼するのか何となく分かった気がします


ちなみに, 楕円楕円と言い出したのは宇宙賢者だ.

2014年3月15日土曜日

sinc 関数と信号処理と数理物理と工学と何か色々

sinc 関数トーク, 念の為記録しておく.
sinc 関数の不定積分は特殊関数だった
@route16xatu sinc 関数ってなんですか
@vb_yc \(\sin (x)/x\)
@route16xatu そんな名前ついてたんですかー. はつみみでした
@vb_yc 信号処理とかの人はこの名前で読んでるイメージある
@route16xatu この子に, そんなまともな使い方があることも初耳です w
@vb_yc @route16xatu むしろ工学系だと超有名関数かもしれないと想像するなど.
@aki_room @route16xatu へえ~, どんなとこ読むといいですか? 変な例作るとか, ちょっとトリッキーな構成をする時くらいしか利用したことないです.
@vb_yc @route16xatu 信号処理とか…ウェーブレット変換とか…?
@aki_room @route16xatu ありがとうございます. 探してみます
@vb_yc パルス関数のフーリエ変換だからめっちゃよく出てくる
@the_TQFT 今度教えてください
使ったことはない方の市民だった.