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2014年5月28日水曜日

「選択公理で極大無矛盾な理論に拡張すれば不完全性定理と矛盾しないか?」

こんさんと p 進大好き bot の基礎論というかロジック関係のトーク.



しかし「選択公理で極大無矛盾な理論に拡張すれば不完全性定理と矛盾しないか? 」というのは一瞬悩んだしよい練習問題ではある.


@mr_konn 理論っていうものよく知らないんですけど,
理論全体のなす何かは集合として定式化できる感じですか?
(そして選択公理ってここではメタ言語なんでしょうか. 選択公理が成り立つ集合理論の中で更に理論の全体を・・高階の論理や高階の圏論みたいで頭が痛くなりそうですね).


@non_archimedean 理論とは論理式の集合のことだと思えばよいです.
言語 L を固定すれば,
論理式の長さは有限ですから言語 L に含まれる記号の全体が集合なのなら L の論理式全体は集合をなし,
ひいては L の理論の全体も集合になりますね.


@non_archimedean で, メタ理論云々の話ですが.
この辺りは入り組んでいてパッと説明するのは難しいのですが
ナイーブには選択公理が成り立つような集合論の中で論理式をエンコードして,
それを自然数とかほかの数学的対象を集合論の中で扱うのと同じようにしていると思ってよいです.


@mr_konn なるほどー.
この場合「理論」=「論理式の集合」は「原始命題系」で,
それとは別に公理や演繹規則が既に固定されているという感じでしょうか?
(それとも動くのは公理や演繹規則・・?)


@non_archimedean むしろ理論が公理系 (やそれに帰結を足したものでもよいですが) になっています.
論理的な公理や推論規則については,
基盤とする論理体系によって決まっていて, その上に理論を載せて数学をする感じです


@mr_konn 言語 L を集合と見るのはあくまで記号の問題ということでモデルをとっているわけではないと解釈すると,
ここで公理系の「帰結」というのは「証明可能命題」よりむしろ「恒真命題」のことでしょうか.
(その無矛盾公理系を充足するモデルが存在しない時どうなるのか分かりませんが).


@non_archimedean あぁ, たんに「理論に (集合として) 含まれる命題どうしが互いに独立でなくてもよい」くらいの意味です.
ちなみに無矛盾な公理系には必ずモデルが存在し,
逆もまたしかりというのがゲーデルの「完全性」定理です.


@mr_konn 論理は 1 階なのですね・・


@non_archimedean はい.
集合論の内部なので一階で不自由ないですし, モデル理論はもっぱら一階の理論を扱います.


@mr_konn なるほど.
しかし僕は論理弱者なようで結局 (排中律と自然数論を含んだ上で) どう矛盾が解消されるのか分かりませんでした・・.
答え (?) のようなものはございますでしょうか.
ご教授していただけたら助かります.


@non_archimedean 不完全性定理の前提として, 理論が再帰的公理化可能であるという条件があります.
つまり, 論理式が与えられた時に, それが公理であるかどうかをチューリングマシンなどで機械的に判定出来る必要があります.
選択公理で膨らませたら, 当然この条件は満たしません.


@non_archimedean 感覚としては「だったら実数に具体的な順序を入れて整列して見せてよ! 」「 W ・ O ・ T!W ・ O ・ T! 」とおなじ状況です


@mr_konn なるほど!
そもそも不完全性定理を「自然数論を含む無矛盾な公理系」に対する主張だと思い込んで生きてきていました!
演習を解く舞台にも立てていませんでした・・.
どうもありがとうございます.


この辺, 一度はきちんと勉強したいと思っているがなかなか機会がない.
数学ガールもラノベとしての楽しみ方しかしていなくてあまり数学を追っていない.

2014年3月23日日曜日

Nik Weaver, Forcing for Mathematicians に集合論的手法の $C^*$-代数への応用みたいな話が載っているらしい

tri_iro さん筋の情報だ.



6 月に出版予定らしい Weaver の "Forcing for Mathematicians"
http://www.amazon.co.jp/gp/product/9814566004/ が気になる.
集合論的手法の \(C^*\)-代数への応用みたいな話が載ってるっぽい.


@tri_iro Calkin 環とかの話でしょうか.
学会で何かそんな話を超楽しそうに話していた講演を軽く聞いたことがあるだけなのですが


@phasetr 本の中身の詳細は知らないのですが, 著者が Nik Weaver なので,
Calkin algebra 関係の話は入ってくると思います (たぶん)


Calkin 環の話, 一度きちんとやってみたいとは思っているものの何もしていない.
Calkin 環, 定義はかなり簡単 (学部 4 年で十分に分かる) のに,
結構最近解かれた未解決問題があったりと結構面白そうな対象なのだが.

2014年3月20日木曜日

「お願いですから憲法の話の時にゲーデルの名前出すのやめてください」

myfavoritescene さんが世界の悲しみを歌っていた.



数学ですら自己完結できないのに穴がないわけはなくて (そんなことはゲーデルが一番分かっていたはず),
その精神を発揮してみたんだろうけど, 周囲の大人の対応がすばらしい w
まあ法の精神 (と言って良いのかしらないが) を根本から認めなければ, いろんなことが法に則って出来てしまうだろう.


お願いですから憲法の話の時にゲーデルの名前出すのやめてください. @myfavoritescene


@ytb_at_twt わかりました. もうしません.


あと これこれ



そういえばこんなエピソードを思い出した.
アメリカ合衆国憲法には論理的矛盾・欠陥があってそれを突くと独裁者が現れる可能性があるということをゲーテルは発見したらしい.
>「憲法自体が"憲法違反の存在"」し #BLOGOS http://blogos.com/outline/81238/



これか http://ytb-logic.blogspot.jp/2012/08/blog-post\_4.html
まあ, さもありなん.


やたべさんのブログは観測していきたい.

2014年2月26日水曜日

tri_iro さんが古典解析にロジックで殴りかかって地獄を噴出させるらしいので

tri_iro さんツイート.



あの辺はもともと 100 年前の古典実解析っぽい話なのに,
ネガティブ方向からは Steprans 強制法,
ポジティブ方向からはガンディ-ハーリントン強制法と隈部-スレイマン強制法で挟み撃ちという地獄絵図になっていて楽しい.
みんなももっと古典解析にロジックで殴りかかって地獄を噴出させよう


あの辺というのはこの辺だろうか.



今日はこちらを訪問中のポールと弱いモデルで Laver 強制法が Laver property を満たさないのではないかという議論をしていた.
Miller 強制法なら \(L_{\omega 1 ck}\) でも Laver property を満たすのに, Laver 強制法ときたら……


何はともあれ正座待機だ.

2013年9月3日火曜日

tri_iro さん筋による情報: よく知らないがシータパン予想なる不可解な言葉をマスコミが生み出したらしい

よく知らないがシータパン予想なる不可解な言葉をマスコミが生み出したらしい.
1 年半前の記事だけど, これニュースになってたのか >史上最年少 22 歳の大学教授誕生! 難問「シータパンの予想」を解いた数学の天才-中国 http://www.excite.co.jp/News/chn\_soc/20120322/Recordchina\_20120322011.html
この辺から tri_iro さんのコメントがある.
「デヴィッド・シータパンは, 英国の論理学者, 投資銀行家, 漁師である」 http://en.wikipedia.org/wiki/David\_Seetapun 論理学者 ⇒ ゴールドマン・サックスのトレーダー ⇒ 100 億円の損失 ⇒ ラスベガスのギャンブラー ⇒ マグロ漁船の乗組員 という経歴はなかなか斬新ですね. 
14 年前の記事ですが, デヴィッド・シータパンに関する記事: 『幾億もの損失を出したポスドク』http://www.timeshighereducation.co.uk/148896.article 
僕は修士時代はシータパンと割に近い研究をやっていて, シータパン論文も引用していたりしたんですけど, なんか無事に生きてるのかどうかすら心配になる経歴を辿っててやばい. 
なぜ急にシータパンの話をしたかというと, Woodin の tt-join 定理の論文をどっかで入手できないものかとググってたら, Wikipedia のシータパンの記事が検索に引っ掛かったので, シータパンの記事なんてあったのかーと懐かしんでいたのでした.
『「シータパンの予想」とは, 90 年代に数学者のデビッド・シータパンが作成した数理論上の難問で, これまでに世界中の数学者や研究者が挑戦したが誰も解くことができなかった』. 世界中の数学者…って世界でせいぜい 30 人くらいしか挑戦してないのでは. いや僕も修士の時に挑戦した人の一人ですが
あとこんなやりとりも.
"Seetapun Conjecture" でググっても劉路さんのことしか出てこなくて予想の内容が出てこないのでアレ. 
@jun0inoue 研究者の間では「 RT^2_2 → WKL? 」という専門用語で呼ばれていて, シータパン予想というのは, 記事にするために作った用語かな, と思います. というか大して有名な問題でもないのに, こんなニュースになっていたというのが驚きです. 
@tri_iro なるほど. まあでも学部生で未解決問題解けるのは十分凄いんでは…
@jun0inoue はい, マイナーとはいえ超難問を解決し, 劉路さんの論文も良いアイデアと難解なテクニックを組み合わせた素晴らしいものなんですが, 学部生から「修士」「博士」「ポスドク」「助教」「准教授」をすっ飛ばしていきなり「正教授」は, 少し飛び過ぎなのでは……と心配になってます 
@tri_iro 昔からそういう人は時々いますし, それはそれでうまく行くんじゃないかと思います.
構成的場の量子論, 厳密統計力学ともにあまり名のついた有名な予想ないし, 竹崎先生いわく, 私の数学上の専門ということになっている作用素環にも名前のついた有名な予想は少ない. 何か名前がある問題, 紹介しやすくていいな, という印象を受けた.

追記

こんな情報も得た.
シータパン予想ってラムゼー関連なのでとりいろさんが詳しいのは予想がつきましたが RT^2_2 → WKL のことだったのですか.
Ramsey, 名前だけは知っているが何者なの, ということで Wikipedia 先生から引用する.
フランク・プランプトン・ラムゼイ (姓はラムジーとも, Frank Plumpton Ramsey, 1903 年 2 月 22 日 – 1930 年 1 月 19 日) はイギリスの数学者である. ケンブリッジ出身. その生涯は非常に短かったが数学・哲学・経済学に大きく貢献した. ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ (1920-23) にて学ぶ. 卒業後, 短期間ウィーンに留学した後, キングス・カレッジフェロー (1924) ・講師 (1926).
ベイズ確率
確率論の主観的解釈 (のちにベイズ主義と呼ばれる) は 1931 年にラムゼイによって提唱される. ラッセル・ホワイトヘッド理論の簡易化 ラムゼーの定理 ラムゼイ数 ラムゼイ・グラフ ラムゼイ問題
哲学
論理哲学論考の書評 ウィトゲンシュタインへの手紙 論理哲学論考の英訳者の 1 人. ウィトゲンシュタインの論文指導
想像以上に無茶苦茶な人材だった. やばい.

ラムゼー理論ということでこんな PDF も見つけた.

2013年8月2日金曜日

Publications of MSJ 第13巻 Gaisi Takeuti, Two Applications of Logic to Mathematics の電子版が一般公開された

日本数学会の次のようなツイートがあった.
Publications of MSJ 第13巻 Gaisi Takeuti, Two Applications of Logic to Mathematics の電子版を一般公開しました http://bit.ly/12IITSs
竹内外史の本 (?) だが, 地雷だったりしないのだろうか. まだ目を通していないのだが, ご存知の方がいれば内容についてご教示頂きたい.

それはそうとして, Publications of MSJ のページ を見るといくつか文献があるが, 次の 2 冊が気になる.
No.15 Shoshichi Kobayashi, Differential Geometry of Complex Vector Bundles, 1987, xii+305 pp. 
No.11 Goro Shimura, Introduction to the Arithmetic Theory of Automorphic Functions, 1971, xiv+267 pp.
これ読んでみたい. 数学会, 何とか頑張ってこれを公開してほしい.