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2014年6月15日日曜日

機械学習で関数論を使う機会, 本当にあるのだろうか

面白そうな呟きを見つけたので.





競技プログラミング勢,
「複素関数論は役に立たない」って言われたらどれくらいの人が同意するのか, 少し興味ある.


(複素関数論をセレクトしたのは, (ほぼ) 必修だった数学が「線型代数・微分積分・複素関数論」で,
最初の 2 つの重要性を主張するのはよく見るけど, 最後の重要性の主張はあんまり見ないから)


機械学習で複素関数論! とか, もっと主張していいんじゃないのか.
留数定理くらいなら使いどころも多かろうて.


@tmaehara 古典解析的には「複素解析までやって微積は完成する」ですけどね.
解析概論もそうですが, 初等函数の理解には複素解析が必須ですから.
確かに, 線型代数・複素解析を含めた微積の機械学習はあってもいいし, また, 競技化しても面白いかもしれません.


機械学習で関数論, 本当に使いどころあるのだろうか.
それはそうと, 前にやった関数論のセミナー, いい加減 DVD 化したい.

2014年3月6日木曜日

0 の 0 乗から $x$ の $x$ 乗まで

0 の 0 乗に関する話があったので.
そうだったのか http://pic.twitter.com/bDO9EOWZK8
@kawazu1147 な, なんだってー!
@yan_tyabouzu 驚きを隠しきれなかったですね
@kawazu1147 0 の 0 乗は通常定義しないのではないでしょうか….
@oddest_2 えっと, 「通常」というのをどういう意味で言ってるかによるのですが, 定義しないのが自然な場合もあるし, 順序数の (そういう概念が数学にあるのですが, その) 話をしているときなどは 1 と定義するのが自然だったりもします.
@kawazu1147 ほへー. そうなのですか. ありがとうございます. 本で定義したりしなかったりするって書いてあったのですが, 新聞ではっきり定義するって書いてあってなんだか妙な気持ちになりまして
@oddest_2 妙に思うのが正しいと思います. 自然にそう計算される場合もあるし, そう定義したほうが便利な場合もあるし, 間違ってるとは言い切れないですが, 不親切というか, 不用意ですね.
@oddest_2 @kawazu1147 http://www.amazon.co.jp/dp/453560844X こんな本があるのでご覧頂くと楽しいかもしれません
@phasetr 相転移 P が適切なのかどうかよくわからない誘導をしている
@kawazu1147 とりあえず適当にまとまった文献は示した方がいいのではないかと判断した方の市民です
紹介した本はこれだ.



あっさりしているので何となく何が問題でどんな世界が展開されていくかを知るのには都合がよく, そういう読み方をするなら非常に面白い. もちろん, かっちり読むのにはつらいがそういう本ではない.

2014年2月13日木曜日

数学チョコで君だけの多様体を作れ

数学チョコで君だけの多様体を作れ.
数学チョコで君だけの多様体を作れ
@phasetr 苺でオイラーの等式を作りましたw
@RainbowGirl_aoi まずはオイラー苺の写真をあげて世界に高らかに宣言をしましょう
@RainbowGirl_aoi 苺によるオイラーの等式、本当に見てみたいのですが写真ないですか?
@phasetr 少し前に作ったものですけど一応これです http://pic.twitter.com/MJDmv7lLIC
@RainbowGirl_aoi 世界平和への第一歩
苺による Euler の写真へのリンク, とりあえず皆見に行っておくように.

2014年1月11日土曜日

特異点解消についてちょっとやりとりしたので

特異点解消関係の話が出ていて廣中先生のことを思い出したので.
特異点解消とかってどういうモチベーションでやってんだろ. 全然知らないけど.
@Maleic1618 私が知る限りでは, 特異点には大事な情報がたくさんあるものの, 特異点はその名の通り特異性があって扱いづらいので扱いやすくするためにやる処理が特異点解消です. 例えば筆跡鑑定で大事になるのは尖った所だったりするようですが, そういう所をきちんと調べる的な
@Maleic1618 ちなみに筆跡鑑定の話は実際に廣中先生の話で例として出てきました
@phasetr なるほどです. その話は関数論の方とも関係があるのでしょうか? 多変数の関数論では極や不定点が孤立しなくて 1 変数と同じ議論が出来ないので, 特異点を扱う話とつながるのかなと勝手に想像しているのですが.
@Maleic1618 私も私で専門外もいいところなので専門の人にあとできちんと確認した方が良いとは思いますが, 関数論は複素係数の代数幾何は含むはずで, 解析空間関係の話で処理するのだとおもいます
@Maleic1618 廣中先生自身, 解析空間の本を書いていますし http://www.amazon.co.jp/dp/4254111347 大雑把に言って「特異点を含む複素多様体」が解析空間だったはずなので, 当然色々関係する話があるだろうと
@phasetr なるほどです. 近いうちに図書館でのぞいてみますね. ご丁寧にありがとうございます.
修士修了近くに廣中先生の話を聞く機会があって, そのときたまたまもう一人筑波かどこかの大学の方が, 「自分はこれから博士を出て数学とは関係ない仕事につく. それでも研究は続けたいのだが出来るだろうか」みたいなことを質問していた. そのときに「研究? 続けたらいいじゃないか」と廣中先生が超気楽に笑顔で言っていたので, それなら自分も続けてみるか, と私も超お気楽に思ったことを思い出した.

あとそのときに廣中先生からサインもらった.

2013年12月21日土曜日

Euler の公式と関数論: 1 変数関数論と多変数関数論の深い溝の狭間で

こんな会話をしたのでメモ代わりも込めて記録しておく.
TLがおおかみこどもだけでなんかつまんね
@1112345678999 そんなときこそ数学
@phasetr あまり詳しくないので大きな声で言えませんが、オイラーの公式は三角指数が絶妙に組合わさっているこの世で一番綺麗な数式だと思ってます
@1112345678999 オイラーはむしろ、指数関数を複素領域にまで拡張する時のキーである一致の定理の破壊力に思いを馳せます。 また、一変数での一致の定理は集積点を含む集合上の一致だけみればいいのですが、これは多変数では成立しないので一変数と多変数の差異も際立つ深い定理です
@phasetr (理系学院生なのにピンとこないヤバイ……)
@1112345678999 この間で早稲田で数学科学生向けに関数論セミナーをしたときからずっと書こうと思っていた話なので後でブログにまとめます。 そしてDVDにもする予定がある方の市民
まず 1 変数の一致の定理を書いておこう.
一致の定理 (1 変数)
\(U \subset \mathbb{C}\) を領域とする. 関数 \(f, g \colon U \to \mathbb{C}\) が正則で \(C \subset U\) が \(U\) の中に集積点を持つとする. このとき \(C\) 上で \(f = g\) なら \(U\) 上で \(f=g\) となる.
この定理は次の 1 変数関数の零点の振る舞いによっている.
定理 (1 変数での零点の孤立性)
関数 \(f \colon U \to \mathbb{C}\) が正則で恒等的には 0 でないとする. このとき \(f\) の零点は孤立している.
1 変数での一致の定理の証明は次の通り.
\(h = f - g\) を定義したとき, \(h\) はもちろん正則だが \(C\) 上 \(h = 0\) となるが, \(C\) は \(U\) 内に集積点を持つため零点は孤立しない. したがって \(U\) 上全体で \(h = 0\) となる必要がある.
孤立性さえ認めるなら証明は簡単だが, 当然零点の孤立性に強く依存している.
これが多変数でどうなるか. 次のように変わるのだ.
定理 (多変数. 零点集合の性質. )
\(n \geq 2\) とし, \(U \subset \mathbb{C}^n\) を領域とする. 関数 \(f \colon U \to \mathbb{C}\) が正則なとき, \(U\) のある開部分集合上 \(C\) で \(f\) が恒等的に 0 になるなら, \(f\) は \(U\) 内で恒等的に 0 になる.
1 変数のときは \(C\) が閉集合でも良かったのだが, 多変数では開集合に限定される. これがポイントで, 一致の定理の \(C\) の条件として決定的に効いてくる.

1 変数のとき, 閉集合でもいいというのは決定的に大事だ. 上にも書いたとおり, 閉集合上での一致さえ言えればいいのだが, 複素平面の中で実数全体は閉集合にはなるが開集合にはならないことに注意しよう. 実数上での一致から全体の一致が結論でき, これが指数関数の複素拡張の一意性を生み出す. これが Euler の公式に正当性を持たせる根拠になっている.

また, 多変数の場合は多変数の場合で開集合に限定した一致の定理というか, 零点の振る舞いが決定的だ. セミナーのとき, ヘイヘイにも問題を出し (て即答が得られ) たのだが, 閉集合上で \(f=g\) になったとしても全体で \(f \neq g\) という例が簡単に作れる. これは (1 変数のときの) 一致の定理の証明からも反例が作れるし, もっと大事なこととして代数幾何から反例が作れる. だからこそヘイヘイに問題を出したのだが.

もっと強くいうと, 代数幾何から反例が作れるというより, 代数幾何学の成立そのものが反例となっているといっていい. (Affine) 代数多様体は複数の多項式の共通零点として定義されるが, 多項式は連続で零点集合なので, 代数多様体は (\(\mathbb{C}^n\) の Euclid 位相で) 閉になる. このとき, 多変数でも 1 変数のときと同じく閉集合上の一致で全体が一致を導いてしまったら, 上述の定義多項式は全て 0 にならねばならず, 代数多様体が \(\mathbb{C}^n\) 全体にしかなりえない. 当然こんなことは起きない.

1 変数と多変数の関数論の決定的な違いになっているし, 1 変数の時の特殊事情はそれはそれで圧倒的な結果を生み出す. こうした背景があるからこその Euler であり, ただ式だけ見て美しいというのはそれはそれで構わないが, 私の興味関心はそこで終わらないしここまで詳しく喋らせろ, という話になるが, これはこれで鬱陶しいと思われるから Euler は原義マスハラである, という主張をしているという話だった.
日付: 2013-12-21T09:28+0900

2013年9月26日木曜日

いま野口潤次郎『多変数解析関数論』を読んでいる

最近野口潤次郎先生の『多変数解析関数論』を読んでいる. 以前 pekemath2 さんが面白そうと言っていたのと, 昔から憧れであった岡理論を勉強したいというこ, あと一応微妙に実益がないでもないのでずっとやりたいと思っていたのをようやく思い立ってやっている感じ. 代数的場の量子論の方でも私が興味あるところでよく多変数関数論を使っているようだし, 名前が既にスーパー格好いい楔の刃の定理の証明でも大事: これは量子統計でも使うのだ. あと研究上ちょっと興味がある代数解析でも基本になっているということがある. まずは全体像を掴もうということで粗っぽく全体を眺めている.



この間少し色々書いてやりとりもしたので記録を残しておこう. まずはこの辺か.
多変数関数論, 代数弱者にはかなりつらい印象を受けた
@phasetr かなり代数的に定式化してましたねぇ
@pekemath2 層やコホモロジーや代数の諸概念の勉強にはなってくれそうなのでそれはそれで嬉しいのですが
@phasetr そういう読み方も出来そうですね
@CFT_math そうです. 前々から岡の話をやりたかったというのと微妙な実益を兼ねて, 思い立ってやろうということで
あとこの辺からも.
関数論でルートを取るときの「分枝を取る」というアレ, 未だによく分かっていない
関数論というより複素数自体よく分かっていない感ある
複素数のことがよく分かっておらず関数論をろくに理解していなくても複素数体上の線型空間論は何とかなるし関数解析, ヒルベルト空間論も何とかごまかせるので, 関数解析, 一番素人向けなのでは感ある
野口先生の多変数関数論の本, ちょっとした具体例がだいたい全て代数幾何由来 (多変数多項式が例) なので, 何かその辺を徹底的に具体例をメインに関数論的に論じた代数幾何の本とかほしい
あと dif_engine さんとのやり取り.
関数論でルートを取るときの「分枝を取る」というアレ, 未だによく分かっていない
@phasetr 複素関数として考えるとリーマン面になっていて, この場合は原点から伸ばした半直線沿いに切れ目を入れると二枚になるのでその片方を取る, ということでしょう.
@dif_engine ちょっと複雑になると何かもうよく分からなくなるのです. log とかも今ひとつ腑に落ちていない感じで. 1 月くらい浴びるほどやれば何とかなるとは思いますが, ひたすら分枝を取るところやリーマン面の具体例とか書いてある本が欲しい
@phasetr \(\sqrt{z}\) は一般論を持ちださなくても, \(\left| z \right| = 1\) となる引数を考えて \(\exp (it) \to \exp (it/2)\) を考えて \(t\) をどんどん大きくしてくと \(t=\pi\), \(t= 1.5 \pi\) のときに \(z\) が同じなのに関数値が違う現象が起きるのが見やすいと思います.
@phasetr あまり一般論にいかず, \(\sqrt{z}\) とか \(\sqrt{z (z-1)}\) みたいなのを考えて, 引数側の平面で閉曲線をぐるぐるやって実感してみるのがいいんじゃないかなと思います. (僕は \(\sqrt{z}\) で力尽きて続きやってないので偉そうなこと言えませんが).
@dif_engine 実際に多変数関数論の本でよく例で出てくるのもそのくらいの簡単なものばかりなので, それをきちんとやるべきなのをずっとさぼっていたつけが回ってきている方の市民です. いい加減きちんとやりたい
@phasetr 私は, 局所凸関数論真面目にやってる俺 TUEEE などと軽薄な事を考えず真面目に藤本坦孝先生の複素解析を真面目にやっていたら, シュワルツ超関数をもっとよく理解できただろうと思うとちょっと悔しいです.

2013年7月1日月曜日

Steven G. Krantz の (書きかけの) 本『A Guide to Complex Variables』via Paul_Painleve

こんなツイート があった.
Steven G. Krantzのweb draftと思われる「A Guide to Complex Variables」 http://www.math.wustl.edu/~sk/books/guide.pdf には私への謝辞が書かれている。 函数論入門としてコンパクトだが、リーマンの写像定理や調和函数にも触れている。
読んでいる暇は多分ないが, 必要な人もいるかもしれないのでとりあえず共有的な意味で.

2013年6月23日日曜日

多変数関数論と Riemann 面やりたいと思っていて結局まともにやれていないので泣いている

泣いた.
群論や函数論に関しては、近年の出版事情はお寒いが、 ルベーグは不動の清三に加えて、吉田伸夫、盛田、柴田、新井、志賀、折原など教科書的な本が90年代後半から2006年くらいまで一気に出版された。 河田、小松、井上の復刊もあった。
「昔は函数論の良い本がたくさんあったが、最近はあんまりない」と野口Jさん ご本人の前で言ってしまったことは、今もたいへん申し訳なく思っている・・・
http://www.amazon.co.jp/dp/4627077114/ とか、理工系全般向けの複素解析入門なら 最近もそれなりに出ているようだなあ。 「古典解析」の大宮さん、フーリエラプラスも今年出してるのか http://www.amazon.co.jp/dp/4627077211
ざっと、アマゾンを眺めたが、 ここ20年の函数論のテキストで気になったのは、野口潤次郎(裳華房)、藤本坦孝、神保(以上岩波)、 スタイン (プリンストン解析学講義)、山口博史(朝倉)、新井朝雄(共立)かな。
野口さん、新井さんとスタインのは、3年生の函数論を想定してると思われる。神保さんのは2年後期くらい。藤本さんのと山口さんのは、やや特論っぽい話。なお、アマゾンや出版社のサイトでなどっただけなので、実際の本を手に取って言ってるわけではない。
野口先生, 最近多変数の本を出した. 多変数関数論, 学部 2 年からやりたいやりたいと思っていて結局全然できていない. 院で一応講義は受けたのだが全く身についていなくて悲しい. Riemann 面もやりたい.