2013年1月31日木曜日

岩澤先生の業績紹介を読んで

理学博士岩澤健吉君の「群論及び整数論における研究」に対する受賞審査要旨 という PDF を Twitter で見かけたので読んでみた. 学士院の文章で大分古い文章だが,面白いので読書メモとして残しておきたい.

数学では知らない者はいないと思うが,岩澤先生は数論の大家だ. 群論の方では岩澤分解がとても有名で,どんなものか具体的には知らないが名前だけは私でも知っている. Hilbert の第5問題の解決への大きな貢献がある.

少なくとも数論での初期の業績は位相群を上手く使った仕事らしい. Haar 測度や Fourier 解析など解析学も上手に使っているようで,かなりパンチの効いた研究をしている. 詳細は忘れたが,高木貞治の類体論といい,岩澤先生のこの辺の話といい,この二人は数論に 上手く解析学を絡めて議論する卓越した技術を持っていて凄い,という話をどこかで見かけた. それがこの話なのだと思う.

関係ないが,高木貞治は呼び捨てにできるが,岩澤先生が呼び捨てにできないというこの感覚,非常に面白い. 一般に偉い人は呼び捨てにできるもので,岩澤先生も十分に偉いのだが, 存命時の岩澤先生を知る人達がまだまだたくさんいて,その人達が先生づけしているので それが移っているのではあるけれども.

円分体や岩澤主予想,岩澤の Zp 拡大など,私は名前しか知らないが, 数論上の業績がたくさんあるのが岩澤先生である. 数学の楽しみか何かで岩澤先生の追悼記念号があった気がしたので,今度それも読んでみたい.

あと代数函数論を買ったきりまともに読んでいなくて積読状態になっているからこれも消化したい. 

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