2014年3月10日月曜日

連載紹介: 初学者のためのロケット開発史入門 | SYNODOS

SYNODOS でロケット開発史の連載がはじまったらしい.
いい記事. 本気でロケット推進を理解させようとすると, こうなるよね >> 初学者のためのロケット開発史入門 | SYNODOS -シノドス- http://synodos.jp/science/6883
記事を読んでみた.
推進力を連続させるには, 当然に投げ続けなくてはなりません. その時, 発生する平均推進力 F (N) は, 単純に単位時間に投げ捨てた質量 m (kg/sec) と, 投げた速度 c (m/sec) の積で表されます.
何故速度が c なのかが気になる. 普通 v だと思うのだが. c と書かれると光速をイメージしてしまう.
こうして, より高い噴射速度を稼ぐために, 分子量の軽い推進薬を選び, かつ高温・高圧で燃やして大膨張加速 (高膨張比) させることが, 宇宙エンジン設計の宿命となりました.
応用は, 現実は大変だ.
驚くべきことに, 初期質量 M0 を一定と考えると, エンジン噴射速度 c をいかに向上するか, 枯渇最終質量 Mf をいかに軽量化するかだけで, 増速性能は決まってしまうのです. 燃料に水素を用い, また極限までエンジンやタンクを軽く仕上げて, 燃料搭載割合を向上することが, 必然となる理由です. そこまでしても, このロケットにいざ衛星を搭載すると, Mf は一挙に増大し, 増速能力は劣化します.
つらい.
ロケットでは, エンジン点火の 5 秒後には, フルパワーで離昇 (lift_off) することが求められます. 極端には, 液体水素温度零下 253 ℃から, いきなり 3,200 ℃近くまで温度変化する場所もあり, 想像を超える熱応力・熱衝撃が発生したのです.
ダイモスの烈風正拳突き改を想起した.
1991 年 8 月 9 日早朝, 三菱重工業から緊急電話を受けました. 深夜のエンジン検査中に金谷有浩さん (23 歳) が殉職された知らせでした. その電話の相手, 長谷川恵一氏もその後病を得られ, 故人 (58 歳) となりました. 粉骨の貢献を果たし, 礎となられた石川島播磨重工業の大木俊英氏 (38 歳), 北村彰氏 (39 歳), また, 宇宙開発事業団の谷口浩文氏 (53 歳) を含め, 深く哀悼の意を表するとともに, 確かに書き記しておきます. (2014 年 1 月 JAXA 総合開発棟にて)
すさまじい.
参考文献に次の本が上がっていた. 読みたい.



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