2013年7月14日日曜日

「あなたの好きなようにやってください」

Paul_Painleve さんのツイート で, 何というか, 時々不思議に思うことに触れられていたのでちょっと書いておきたい.
「ブラック大学の内部からみた現状」みたいな話を聞くたびに、 数学の場合はむしろフリーダム過ぎて、それが逆に学生にとってプレッシャーになってるように感じる。 理系でブラック要素のある研究室の嫌いな学生はぜひ数学専攻にどうぞ。「あなたの好きなようにやってください」
確かに数学科では週一のゼミ以外全く拘束なかったので好き放題やっていた. 修士で大学を移ったのだが, 研究柄物理の勉強が必要なので, 元いた大学の物理学科の (所属とは違う) 研究室の学部 4 年のゼミにお邪魔したりしていた. 物理だった学部の頃にしても, いわゆる理論だったためか, ほぼ拘束なかった.

「あなたの好きなようにやってください」に関しても本当に好き勝手やっていた. 教官の趣味とあまり合わない感じのことをゼミでもやっていたためか, よく先生は寝ていた. 世間的に考えれば「授業料も払っているのに指導をしていないとは何たることか」的な話になるのかもしれないが, 指導教官を寝させてしまうようなつまらない話しかできないこと, また世界に名立たる教官の貴重な研究時間を奪っていることが申し訳なく思う方の市民だった. 研究に関しては指導教官でも何でもないのに北大の新井先生や岡山大の廣川先生にお世話になっていた. これも今思うと優秀な研究者の時間を浪費させていた感あるので戦慄してはいるのだが, 新井先生に関しては本気度を示すために『フォック空間と量子場』の 4 ページ程度に渡る誤植訂正表を送ったりしていて, それなりに貢献したので許して頂きたく思う. あとで重版のときに新井先生から「あなたの訂正表が役に立ちました」的なメールも頂いたので, とりあえず個人的には良しとする.

全くの別件だが, 私の学部のときの指導教官は高木貞治の孫の黒田先生 (Schrodinger やスペクトル理論などで有名) が指導教官だったそうだけれども, 線型の微分方程式が盛んな時代に黒田研では唯一人非線型の話をしていたそうで, 「先生に研究報告するたび『よく分かりませんが頑張って下さい』としか言われなかった」と言っていた. 私はそちらの指導教官の血を色濃く受け継いだようだ.

理系でブラックとかいうの, 実験が入るところだけというイメージあるのだがどうなのだろう. 情報系だとか, その他でも理論のところは原理的にブラックになりづらいと思うのだが. よく知らないので何ともいえないところだ. 詳しい方々の体験談を伺いたいところ.
あと多少別件なのだが, 以前どなたか忘れたが, 生物や化学に進む女性が多いけれども, これらはやはり拘束が多くて厳しく実際に博士などに行っても妊娠・出産などまで厳しくなることも多々あるので, そうした拘束が緩いというかほぼない数学は女性にも良い学科・学問ではないか, という話をしたことがある. 興味がある向きは色々な向きにご確認頂きたい.

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