2013年7月10日水曜日

自然科学の基礎としての数学と人文学の基礎としての哲学

Paul_Painleve 先生がとある人 (よく知らない) とやり取りをしていたので記録しておく. この辺.
もし物理でも生物学でも, 数学者がヲタク的にやってる研究など不要で, 必要な数学は自分たちで作った方が速いとなれば, 自然科学の基礎としての数学の立場がなくなろう. しかし, 現実はそうはなっておらず, 今なお, そして将来も数学は自然科学の基礎学問であると信じている. 
@Paul_Painleve 哲学を空論, と放棄や軽視してしまえば生命倫理は誰が介錯するのか, と似た要件で哲学科を尊命させて頂きたい. 
@i62x0410dellla その点は強く支持したいです. ただ, 数学が自然科学の基礎たらしめているのは長年にわたる 数学者たちの努力の賜物とも思っていますので, 外の人の力だけではできないとも思います. 他方, 中からの努力だけでは厳しい時代になりつつあるのも間違いないでしょう.
昔の人, 数学者だか科学者だかよく分からないというか, 区別する必要もなかったりするので, この辺どうかな, と思っている. あと, 少なくとも日本ではあまり他分野に興味持っている数学の人, 少なそうなイメージあるが, 実際のところはどうなのだろう. 自然科学というところで超弦だとかのごく限られた物理以外に何を想定しているかも気になる. 微分方程式にしても工学的な取り扱いについてはどうだろう. 自然科学の基礎, といいつつ人文・社会学にとっても大事な統計学の扱いが極めて低いように見えるのも結構気になっている.

少し話はずれるが, 以前竹崎先生から次のような話を伺った. 知らない人に向けていうと, 竹崎先生は作用素環の人で, 冨田-竹崎理論が世界的に有名だ. 私の指導教官の指導教官でもある. UCLA にずっといた.

竹崎先生在任中, その UCLA で大学を根本的に立て直そうという議論が起きたらしく, そのときの話として「人文の基礎として哲学を, 理工学の基礎として数学を基礎に据えた体制を作ろう」という話になったそうだ. 数学をとても大事に扱ってくれて嬉しいとともに責任を感じた, みたいなことを言われた記憶がある.

とりあえず私は私でできることとしたいことをしよう. 早く DVD 出さないと.

2 件のコメント:

  1. 社会科学系の学部ですが統計学を必修にしようと動きがあります
    ただ第二外国語のせいでなかなか難しいと教官が嘆いているのが現状です
    最低限の統計学も学ばずに学部を卒業するのはやはりまずいと感じています

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  2. 世界またはいわゆるグローバル的なアレは知らないので何とも言えませんが,
    現行の日本社会でいうなら統計学があっても大して役に立ちそうにないし,
    むしろ知っていると日々生きづらそうな気すらするので知らない方がいいのではないか説と,
    識者の皆様が大好きな欧米基準的なアレで,統計学を必修にした上で
    出来ない者は容赦なく落とし続け致死量の数学を与え続けるべき説の狭間で揺れ動く方の市民です

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