2013年5月14日火曜日

Hilbert 空間から始めるよく分からない数学 セミナー初回の内容をもう少し詳しくした


なかなか時間が取れなくて非常にアレなのだが, 大体話したいことはピックアップした. Twitter で この辺 から適当に呟いたのは下にまとめる.

その他, あとで動画にもする予定で, そこではさらに詳しく話す予定なので, それに合わせて今から詳しい内容も作っておきたい. 特に特殊関数周りの具体例を色々あげておきたいと思っている. 今すぐに見たいという向きもあろうから, 参考文献を軽くあげておこう.

全体的な話として, まだ買っていないのだが「直交多項式入門」がかなり気になっている.


とりあえず触れようと思っているのは, Legendre 多項式, Legendre 陪関数, Hermite 多項式, Laguerre 多項式, Fourier 級数のあたりだ. ちなみに今はじめて知ったのだが, Chebyshev 多項式は この PDF によると, 計算機の中での応用があるらしい.

Legendre や球 Bessel については この PDF が参考になるかと思う. 自分が知っている話, ということで物理への応用について話す予定で, 正にそういう話だ. Laguerre は例えば この PDF を検討している. 上記多項式もそうだが, Hermite についても手元にある本含め, まだ資料をあさっている.

今すぐ参考文献を知りたい向きは, 基本的には偏微分方程式を解くところで使うので, その辺で探すといい. 「物理数学 Legendre 多項式」などで探せば色々出てくる.

Fourier は熱方程式, 波動方程式, 電磁気学あたりで探すといいだろう, 数学の本ではあるが, 逆問題を通じた応用的な色彩が強い本として, 波動方程式への応用については下記の本の前者を, 熱方程式への応用については後者を参考にすると楽しいだろう.


物理への応用に関してよい参考書は今探しているところだ. 波動の本でもいいが, 電磁気 (電磁波) からの話が個人的に気に入っているというか感覚が掴みやすかったので, その辺で探すといい. もちろん, 自分の専門に近いところ, 自分にとって分かりやすいところで探すのが一番いい. いいのがあったら教えてほしい.

多項式から話題を変えるが, 例えば変分というのがある. 変分原理として物理の各所で現われるが, 量子力学で基底エネルギーを出すのに使うこともある. 実係数の微分方程式への数学的応用ということでは Brezis の本が定評がある. もちろんかっちりとした数学の本だ. Hilbert 空間を中心に議論されている. 最近演習問題も追加された英語版も出版されたので, 買うならそちらを買った方がいいかもしれない. 東大の微分方程式系の研究室での学部 4 年のセミナーでも使われることがあるようなので, そのくらいきちんとした本だ.


また, 何度も紹介しているが, 解析力学というか幾何学での変分ということで次の本が比較的分かりやすく, しかも面白い.


読んだことはないのだが, 物理での変分原理については次のような本もある.


これまでの微分方程式の話とは大分変わるが, 作用素論につなげるので, 量子力学とスペクトルの話もしたいと思っている. これについては日合-柳本はもちろんのこと, 数理物理としては新井先生の本がいい.

   
量子力学での変分に関する数学的に精密な話も書いてある. 他には, 作用素の関数やユニタリ表現に関する話も大事だ. 作用素の関数については先日ワヘイヘイオフで詳しい話を聞かせろ, という要望を受けたので, 別途早めにまとめようと思っている.

では以下, Twitter での発言を抜き出しておく.
Hilbert 空間から始めるよく分からない数学のセミナー的なアレの原稿, いい加減作ろう. イントロでずっと固まっているが, そろそろ具体化したい. イントロだけはもう少し線型代数全般について話をしたい 
まず超大雑把に言って教養でやる線型代数らしい線型代数と, 微分方程式方面と関わる方面の話と, 関数解析または作用素論的な抽象論みたいな感じの話がある的な話をする 
加群への展開とか, Lie 群への展開とか数学として取り逃すところは色々出てくるが, この辺は私の数学力的に手に負えないところが出てくるので色々ある, とだけ言って逃げる. ただ表現論とFourierと, みたいなところと量子力学とかは少し触れたい 
Hilbert 空間の抽象論と作用素論的な展開と量子力学との関係的なアレはあとで詳しくやるから, 軽くこなす. まずは有限次元の方か 
有限次元と言ったところで専門に近い所で見ても色々あるし困る. とりあえずハバードだとか, 直接的に研究に結び付くくらいやばい, という話はしよう 
あとは数値計算でも使う的な話は入れよう. 微積分との絡みで平衡点近傍の安定性とかそんな話もしよう 
脱線するが, 平衡点近傍の話, 多分力学系とかそういうところでも使う. あまりきちんと勉強していないが, 山本義隆の解析力学にも解説あるし, ゆきみさんいわく常微分方程式と解析力学にも解説あるらしい 
これは適当な線型化から系の性質を調べるとかいう話で, 微分積分や力学とも深い関係がある. 機械工学とかその辺でも確か出てくるはずとかそんな話をしたい
あと標準的なコースの重要性はきちんと言わないといけない. 行列式と固有値, 固有ベクトルあたりは何をネタにしよう. 物理の各所で出てくるが. 固体物理というか連成振動とかその辺か. あと統計学での主成分分析とかそういう話か. この辺, 具体例を仕入れる必要がある 
固有値, 固有ベクトルは量子力学とかその他物理でも色々展開があるという話はしよう. 物理の話ばかりしているのもどうかという気はするが, 応用はそれしか知らない無学な市民だった 
Googleのページランクみたいな話もしよう. 確率との関係とかエルゴードとか言っておくと響く向きには響くだろう. これ, 数値計算とも関係するかなりクールな話なので盛り込みたい 
とりあえず有限次元はこんなものか. 無限次元というか微分積分への接続として平衡点近傍の話をもってくる方がいいか. あとは微分作用素と積分作用素の線型性は必ず触れる. 我が魂 
@aki_room 毎回2時間くらいのを4回くらいの予定です. ヒルベルト空間とその上の作用素論を3回でスペクトル分解までやろうという無茶な企画. まともに回るか分かりませんが,とにかく一度やってみようという無茶企画です 
http://tinyurl.com/d6ggdkr 【phasetr 【参考】 http://www.ulis.ac.jp/~hiraga.yuzurugf/LA/matlab/gallery.shtml】 
@JosephYoiko ありがとうございます. 例を作って図示まで自分でやるのは結構手間なので助かります 
関数解析的な意味での無限次元の線型代数, 何を話そう. 時間があるから適当に抜粋するが, ネタとしては色々書いてためておこう. まずはブログの方にも書いたTaylorと微分作用素の関数と並進とかその辺か 
あと微分作用素の固有値展開からのFourierか. Fourierは高校でやった三角の積分が直交関係を表す的な話は入れないといけないだろう 
今回, 個別の話をやっている余裕はなかろうがLegendreやらBesselやら, 量子力学とか電磁気周りでの微分方程式を解くときにも出てくるという話も盛り込みたい 
これは個別の関数の相手もそれはそれで大事なのだが, 理屈としては線型空間論で一括処理できるのだ, という認識を持つことで数学的, 精神的な負担を減らすことを目的に, 必ず触れるようにしたい 
あとアレだ, モノによっては多重極展開とか応用上の意味があったりもするから, 単なる数学ではない部分もある的なアレ. 変分とか無限次元の微分とかいう話はすると楽しいかよくわからないが, ネタとして書いておこう 
イントロはこんなものか. ネタ多すぎるので確実に削るが, 他にもどこかで話すなり, 最終的に動画にするときには盛り込むからいいか. あとスペクトルの話はきちんと触れ直そう 
関係ないが, 今日の math-phys の arXiv に非可換調和振動子に関する廣島先生と佐々木さんの論文が出ていた. これはこの間の埼玉大のセミナーでも少し話したが, 若山先生が最近やっているやつで数論というかゼータと関係があるやつ
考えてみれば, Hubbard や Google のページランクについては動画を作ったのだった. それも紹介しておこう.

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