2013年3月20日水曜日

第3回関西すうがく徒のつどい かわずさんの感想を見て反例を作る重要性で伝え忘れていたことを思い出した


かわずさんがブログに感想を書いていた. これ だ. 感想を読んで, 大事なことを言い忘れていたことを思い出したのでそのメモ.
市民(@phasetr)「色々な反例を作って遊ぼう」 数学をするときの楽しみ方というか態度について、自分で問題を見つけることが大切であって、 そのために有名な定理の反例を探すということが、 何か思いついた問題を正確に述べる練習にもなるし、楽しいのではないかという話。 数学的な内容(も当然ながら重要だけど、それ)だけにとどまらないことを伝えようとされていたようで、 自分自身そういう話ができるようになりたいと思った。 "Counterexamples in Analysis"という本が面白いらしい。
反例を作るとその定理が成り立つのに何が必要なのかがはっきりしていくので, もとの定理自体の理解も深まる. 講演で本質的には伝えているが, 数学の中に定理が網の目のように走る中, それをかいくぐって反例を作る必要が出てくることもあり, 定理間の関係, 数学の中で占める位置なども朧げながら見えるようになってくる. 反例を作るなかで本に書いてある証明自体もブラッシュアップできることもあるだろう. 「この仮定はもう少し緩めてよさそうだが, そうすると本の証明ではうまくいかなくなる」ということを発見したとき, 自分で証明をつけ直したくなったらしめたものだ. さらには証明自体を深く検討することにもつながる. 証明の中で条件をうまく使って議論することになるが, その議論の仕方を逆に読んで反例構成に使うこともできるだろう.

人にもよると思うが, 本を単純に読んでいくだけだと途中で疲れてくる. 息抜きもかねてちょろっと反例を作って遊んでみるというのもいい. 反例作りに真剣になって本を読み進めるどころではなくなるかもしれないが, それはそれで別にいい. 勉強になれば何でもいいし, 反例作りは勉強というよりも本から発展させたいった自らの研究と思っていい. とりわけ学部初年時では何かをしても既知の結果ばかりだと思うが, 再発見という楽しみがある. 偉い人達が到達した世界に独力で到達したということでもあり, そういう場合は遠慮なく自分を褒めていい.

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