2013年3月19日火曜日

第3回関西すうがく徒のつどい 2 日目の個人的まとめ


3/16-17 の 関西すうがく徒のつどい の第3回に参加してきた. 関西のつどいには初参加だが, 折角なので講演の方もしようということで講演もしてきた. つどいの Togetter はこれが一日目 でこれが二日目 だ.

今回は二日目の分の感想を書いておく. 私が聞いた講演は次の通り. 一日目もそうだが, 聞かなかった方の講演がどれも面白そうで全部聞きたかった.
  1. アルゴドゥー(@alg_d) Title:「数学の諸定理と選択公理の関係」
  2. のうこ(@noukoknows) Title:「つくってあそぼう!うごく数学のもけい -A Very Natural Introduction to Gentzen's Natural Deduction-」
  3. 福本佳泰(‏@PillagedVillage) Title :「楕円型作用素のパラメトリックス」
  4. のーてぃ(@conoughty) Title:「産業のための数学」
まずブルブルエンジン兄貴の「数学の諸定理と選択公理の関係」だ. 相変わらず話が上手い. 今回は 1 点での連続性に関する重要な定理の同値を証明するのに選択公理を使っているという話で, 単に使っているというだけではなく, 選択公理なしでは「非常識」な結果を認めざるを得ないという話だった. ネタの選択も非常に上手い. いつも使っている / を上手く絡めてくるなど, 「またこれか」「こんなところにも出てくるのか」と一々新鮮な驚きを与えてくれる. 講演者自体, 講演が上手く聞かせる話し方をしてくる. 話し手としても参考になるよい講演だった. こればかりだが, 本当によい話だったので仕方がない.

のうこさんの「つくってあそぼう!うごく数学のもけい -A Very Natural Introduction to Gentzen's Natural Deduction-」だが, 入門者向けにどう話を組むか, 相当苦心したようだ. あとでゼルプスト殿下もロジックが数学科の正規の過程にない中, 入門的な話をどうするのかいつも悩ましいというようなことを言っていたので, 準備は大変だったのだろう. 自分で証明図を書いたことがなかったので, 何となく入門には入門したくらいの感覚でいる. 山元さんとみややさんのやりとりが面白かった. みややさん, 大体全部の講演でコメントなり質問をしている感じだったのでなかなか凄い. 適切にコメントできるというのは相手の話をきちんと理解した上で疑問を持ちながら講演を聞くことが必要になる. できないからといってどうというわけではないが, なかなか凄い能力だし, 何より講演側としては質問があると嬉しいので, そういう点からもありがたい聴講者だ.

福本さんの「楕円型作用素のパラメトリックス」はものすごい面白かった. やろうと思ってずっとさぼっていた Sobolev の埋め込みとその応用がためになったが, それ以外にも議論のメインとなっていた擬微分作用素の基礎と応用もまた面白い. Fourier 級数の議論の一般化の話にもつながるなど, 最後にびっくりさせる展開もあったのが心憎い. 目的に向かって美しく一本道で進む構成も素晴らしい. また, Twitter でも少し書いたのだが, この講演は高校生に聞いてほしかったし, 何より高校の頃の私に聞かせたかった. 東大・京大をはじめとする国公立トップ校の学部 4 年, 修士, 博士の学生が超内輪のノリで専門的な議論をしている姿を見せたかった. 正に飾らない, 普段の数学をしている姿だった. 特に京大勢がおそらくいつもの感じでやりとりしていたのがとても面白い. 「あそこに ij いらんの」「どれやねん」「いや心眼で見れば分かるからいいんだけど」 「そういう時間だけ食う質問やめろっていうてるやろ!」みたいな軽いやりとり, 知らない人がたくさんいる講演ではやりにくいので, そういう普段の姿を高校生にも見せてあげたかった. これを高校生に見せてあげられなかったことが今回一番の心残りといってもいい.

のーてぃさんの「産業のための数学」は発表者と聴衆で交わされたやりとりが何より貴重だった. 応用数学の話で, 知らない話だったので今後どこかでも紹介したくなるネタであり, 講演者が何とかして分野のことを伝えようと奮闘している姿が実に感動的だった. 発表者と聴衆で交わされたやりとりということでは, 一番感動的だったのは本当に工学系の参加者のばんぬさんが, 「この講演は自分の研究にも使えそうなので, 質疑応答後, もっと詳しく話を聞かせてほしい」といいだしたことだ. かなり本質的な形で (応用) 数学系の人と工学の人との交流ができたの, つどいにとって非常に貴重な機会だろう. ばんぬさんは流体系の人だということだったので, 講演後, 私ものーてぃさんとばんぬさんが話しているところに行って, 同じく産業数学として話を盛り上げようとしている東大の山本先生を紹介したりした. 山本先生は微分方程式, 逆問題の数理とシミュレーション関係の人なので, ばんぬさんとも近かろうと思ったので. また山本先生主催のワークショップに出たことがあるのだが, そこで動的メッシュによる衝撃波の数値シミュレーションという話があったことも思い出したので, それも紹介しておいた. 流体の人らしいので何かの役に立てばいいと思って. 参考になれば嬉しい. ちなみに動的メッシュのシミュレーションに関する話はこのページ の "Convergence Analysis for Numerical Methods to Stochastic Hyperbolic Equations" の動画に講演のトークが収められている. 動画を見れば分かるが, 実際の講演のタイトルは上記のものとは違ってちゃんと動的メッシュの話になっている. 興味のある人は見てみてほしい.

前の 2 回も参加すればよかったと思うくらいに非常に楽しかった. 次回もできれば講演側で参加したい.

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