2014年5月27日火曜日

単位的環とその部分群に関する命題の (反) 例を作ろう

やりとりが面白かったので.



去年の環論の演習で「単位的環 \(R\) とその加法についての部分群 \(S\) で,
\(S\) が \(R\) の乗法で閉じていて単位的環となるが \(R\) と \(S\) の単位元が異なる例を挙げよ」という
問題を考えて少し悦に入っていたが零環でない環 \(R\) と \(S=\{0\}\) をとれば明らかだった.


(昔, \(R \to R \times R\), \(x \mapsto (x, 0)\) について \(\mathrm{Spec} \, (R \times R) \to \mathrm{Spec} \, R\) を
とってしまうような間違いを 1 時間くらいしていて悩んだことがあったので……)


@nolimbre 2 次正方行列の環 \(R\) と, \((1, 1)\) 成分以外 0 な部分加群 \(S\) とか.


@nolimbre 「単位的環においては単位元と零元は異なるものとする」と
断ってあるのをなんかの教科書で見たような気がします.


@kyon_math @nolimbre そういう流儀もあると思いますが,
零環を許さないと, 空集合が affine scheme で無くなってしまう気もするのです.


@atomotheart @nolimbre いや, 単に「呼び方の便宜上の話」だと思います.
「本書では環と言えば単位的な可換環のことをさす」とか,
その手の類いで, 定義として採用しているわけではない.
#誤解を招くつぶやきだった


@kyon_math @atomotheart 零環を排除すれば一見楽に見えますが, 終対象なので, ないといろいろ不便ですよね.
(テンソル積が一般にとれなくなる, それに伴ってスキームのファイバー積がとれなくなるなど)
僕は以前零環を軽視していて総ツッコミを受けました


@iwaokimura そういうのもありますね.
(あまり関係ないですが, 初めて代数群の定義を見たとき「なるほど, 体を加法群とみたものなんかは代数群ではないんだな」と思ってしまいました).


@nolimbre @atomotheart 私が勤めはじめた頃,
かなりお年を召した代数学の教授が 「零次元のベクトル空間なんて, そんなものありゃあせん」と主張して,
困ったことを思い出しました.
#いまは何もかも懐かしい


@kyon_math @atomotheart そ, それは過激ですね…… ww


名前しか知らないが, 代数群恐るべし.

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