ぞみさんのツイートを見たので.
追加の疑問があった. Twitter だと細切れになるので, ブログにまとめておこう.
その上で, 対称作用素ではなく自己共役作用素である必要がある. 固有値という言い方も不正確で, 実際には「スペクトル」という概念の中で話す. 固有値は固有値で当然大事なのだが, 「固有値に対応する固有関数で表わされる状態は安定」という物理的な解釈がある. 不安定な状態はともかく, その Hamiltonian に従う散乱状態をどう見るかというところで, 固有値以外のスペクトルに属する (言い方不正確) 状態を考える必要があり, その部分まで考えたいので固有値を一般化したスペクトルという概念を準備する必要があるのだ. この辺, 量子力学まで突っ込んだ話は無理にせよ, 3 月の Lebesgue ・関数解析・作用素論セミナー (予定) で少しは触れたい. 次の本を参考にしてほしい.
あと, (閉) 対称作用素と自己共役作用素はスペクトルに決定的な違いがある. 閉対称作用素のスペクトルは次の 4 つのどれかになる. (証明は新井先生の『量子現象の数理』を見よう. )
この辺もきちんとやるととても面倒.
Hamiltonian が「Hermite」であることをいうのは大体できる. 物理の本ではふつうそういう議論をしている. 数学的には死ぬ程面倒だが.
需要があるなら今度セミナーしよう.
ラプラシアン作用は座標に依存しないはずなのに, シュレーディンガー方程式を解くと 2p 軌道で軸が出てくる. これは求解過程で (特に変数分離?) 適当な回転変換を施しているということかな.紹介した本はこれ.
@zomi1202 どんなポテンシャルを仮定しているかによりますが, ハミルトニアンの対称性が解にも反映されます. http://www.amazon.co.jp/gp/product/4535784663/ref=as\_li\_qf\_sp\_asin\_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4535784663&linkCode=as2&tag=phasetr-22 が参考になるでしょう. 2/14 のセミナー自体ではあまり触れる余裕はなさそうですが, 何かあれば直接でも聞いて下さい
@phasetr 突然解に対称性が消えて驚いてしまったので, どこで置き忘れてしまったのか探してみます. ありがとうございます.
追加の疑問があった. Twitter だと細切れになるので, ブログにまとめておこう.
ハミルトニアンって固有方程式解いてみたら固有空間同士が直交してる (よね?) けど, 何かユニタリーとかエルミートとか内積と相性の良い性質でもあるの?どこを話の基点にするかという話がまずある. やりはじめると大変なことになるので, 適当に単純化したうえでうるさいことも書いていく.
@zomi1202 演算子は全部エルミート (じゃないと観測値で実数以外がでる)
@dream_taro それって固有値が実数だからということ? 関数空間の内積の定義である, 積分から直接示せるのかな?
@zomi1202 量子力学の公理で固有値が観測される, っていうのがあるので固有値実数じゃないとまずいよねということ.
ハミルトニアンって固有方程式解いてみたら固有空間同士が直交してる (よね?) けど, 何かユニタリーとかエルミートとか内積と相性の良い性質でもあるの?今度の 2/14 Lieb-Loss の Analysis セミナーでも少し話すが, うるさいことをいうと固有値があるとは限らない. 例えば全空間 \(\mathbb{R}^n\) で考えたときの Laplacian は固有値がない. 固有値が複数あるときにそれぞれの固有関数自体は直交している. (固有空間が直交とはあまり言わない. ) Hamiltonian の Hermite 性についても面倒な話がある.
@zomi1202 演算子は全部エルミート (じゃないと観測値で実数以外がでる)数学的には線型作用素には Hermite 性, 対称性, 自己共役性という分類がある. 線型代数だと対称作用素は「実係数のときの Hermite に対応する性質」という感じの定義だが, ここではそういう使い方はしていないことに注意してほしい. ちなみに関数解析 (作用素論) でも文献によって微妙に定義が変わる場合がある. 私の使い方は新井先生の本の定義を使っている.
@dream_taro それって固有値が実数だからということ? 関数空間の内積の定義である, 積分から直接示せるのかな?
@zomi1202 量子力学の公理で固有値が観測される, っていうのがあるので固有値実数じゃないとまずいよねということ.
その上で, 対称作用素ではなく自己共役作用素である必要がある. 固有値という言い方も不正確で, 実際には「スペクトル」という概念の中で話す. 固有値は固有値で当然大事なのだが, 「固有値に対応する固有関数で表わされる状態は安定」という物理的な解釈がある. 不安定な状態はともかく, その Hamiltonian に従う散乱状態をどう見るかというところで, 固有値以外のスペクトルに属する (言い方不正確) 状態を考える必要があり, その部分まで考えたいので固有値を一般化したスペクトルという概念を準備する必要があるのだ. この辺, 量子力学まで突っ込んだ話は無理にせよ, 3 月の Lebesgue ・関数解析・作用素論セミナー (予定) で少しは触れたい. 次の本を参考にしてほしい.
あと, (閉) 対称作用素と自己共役作用素はスペクトルに決定的な違いがある. 閉対称作用素のスペクトルは次の 4 つのどれかになる. (証明は新井先生の『量子現象の数理』を見よう. )
- 上半平面全体.
- 下半平面全体.
- \(\mathbb{C}\) 全体.
- 実数の閉部分集合 (自己共役).
@dream_taro それって固有値が実数だからということ? 関数空間の内積の定義である, 積分から直接示せるのかな?これが数学的には微妙で, 積分から示せる範囲の話ではいいところ対称性までしか言えない. 自己共役まで示したいとき, 論文レベルの対応が必要になると思ってほしい. 既に分かっている作用素, 有名な作用素については上記の本にも証明がある. 結構大変だ.
この辺もきちんとやるととても面倒.
\(\int \phi \phi^* dV\) が収束することから無限遠方で \(\phi\) は 0 で, これと部分積分を使えばハミルトニアンがエルミートなのは示せそうだな.積分が収束しても無限遠で \(\phi \to 0\) は言えない. \(x = n\) のところで幅 \(1 / n^4\) で高さ \(n\) を考えると, これは 2 乗可積分だが \(x = n\) のところではどんどん高さが高くなる. 私が学生時代, 先輩に指摘された例だ. 頑張って反例を作ろう.
Hamiltonian が「Hermite」であることをいうのは大体できる. 物理の本ではふつうそういう議論をしている. 数学的には死ぬ程面倒だが.
需要があるなら今度セミナーしよう.
0 件のコメント:
コメントを投稿