元スタンフォード大学教授のスラン氏が立ち上げた「ユダシティー」でオンライン講座を受講していた学生は, 生身の人間による講義を受講していた学生よりはるかに成績が悪く, ドロップアウトする数も大幅に多かった.あまり具体的な数値がないので突っ込んだ話はできないしするつもりもないが, 少なくとも現状, 人の影響力は絶対的で無視できない. 「良い教師」的なアレ, どうしても必要だというただそれだけのことだろう. 道具に遊ばれている感あって, ひどく間抜けという印象.
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そこでオンライン教育の出番, となったわけだ. MOOC を使えば, コストはほぼゼロになる. だが大きな注目を集めたユダシティーの実験のように, 受講者の 90%以上が学習に興味を失ってしまうのであれば, コスト問題への対処を迫られることになるだろう. 興味を失う学生の割合は, 一般の学生の 2 倍である.
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■大多数に意欲を持たせることが課題
ここから MOOC について何が言えるのか. テクノ楽観主義者が好んで指摘するように, 今では米議会図書館の蔵書や名門大学の講義を無料でダウンロードできるようになった. 時代に取り残されまいとする年配の従業員, 米軍の予備兵, インドのような国の野心あふれる若者など, いくつかの意欲の高い層ではオンライン講座を修了する割合が高い. だがスラン氏の受講生をはじめ, たいていの人は急速に興味を失ってしまう. 要するに, 米国の教育者が直面している本当の課題は, 熱意の乏しい大多数の人にいかに意欲を持たせるかなのだ. 言うは易く, 行うは難し. 馬を水辺に引いていくことはできても, 水を飲ませることはできない.
このような厳しい世界で成功するのは, MOOC を筆頭にインターネット全般がもたらす無限のリソースを活用する才覚を持ち合わせた者だろう. 残念ながらユダシティーの挫折は, そんな人材が間違いなく少数派であるという現実を突きつけている. 米国の教育危機について, コンピューターで解決できる部分はせいぜいごく一部だろう. コンピューターに比べてカネがかかるとはいえ, それ以外はわれわれ人間が引き受けるしかない.
相転移P @phasetr のブログ.ニコニコやYoutubeに投稿した動画の紹介をしたり,Twitterでのまとめをしたり.専門は数学・数理物理:構成的場の量子論,厳密統計力学.
2013年12月4日水曜日
フィナンシャルタイムズの記事: オンライン大学は米国の教育危機を救えない
『オンライン大学は米国の教育危機を救えない』という記事があった.
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