2013年9月25日水曜日

大学水準の勉強の仕方の参考: 固有値・固有ベクトルや解の公式を題材に

またもや Paul 的なアレだ. これ や これ.
3x3 行列 A を具体的に与えて「この行列の固有値, 固有ベクトルを計算しなさい」というとできるのに, A とその固有ベクトル v を具体的に与えて「 v が A の固有ベクトルであることを示し, その固有値を求めよ」というとできない学生がいる. これは教育でどう改善できるのか?
(続き) その学生は, 「固有ベクトルの求め方」だけは覚えて期末試験に臨んだが, 固有値・固有ベクトルの定義は知らないまま. それでも期末試験くらいは何とかなる. 中高からずっと, こんな調子で勉強して, すっかり「勉強の仕方」が歪んでしまったのを再教育しないといけないのでしょう.
@online_checker @seki 「学ぶ姿勢」まで突き詰めた深いところまでどう直すのか, 大学生・院生が相手となると答えが見いだせません. 学生も (勤勉でないにしろ) さぼってるわけでなく, (言い方は悪いですが) 頭が悪いわけでもないので, どこかでの教育の問題なのでしょうけれど
あと ここからのやり取りも面白かった. 面白いとか言っている場合ではないのだが.
大学生における, 固有値わかってなくても求められる率と, 中学生における, 「解」が何かわかってなくて方程式解ける率を比べたら後者のがヤバいでしょうね.
@hoga_hoga 中学生に「 x=2 は方程式 x^2-3x+2=0 の解になることを示しなさい」という問題を出すと, かなりが「二次方程式を因数分解すると x=1,2 が解になるので, x=2 も解」という形で答えてしまうとは思います. 答案としては間違ってませんが, 理解の仕方はおかしい.
@Paul_Painleve 「解空間」とひとつひとつの「解」が同じ用語なのが混乱の原因とおもいますが, なかなか中学校では厳密にはしにくいでしょうね. 大学では, きちんと区別すべきと思いますが.
@hoga_hoga 今の問題では混乱はないと思いますし, 大元の私のツイでも用語の問題が主ではありません. 今の場合, 「 x=a が方程式の『解』になることを示せ」なら「解=一つの解」であるし, 「方程式の『解』を求めよ」と問う場合, 「解=全ての解」ですが, 普通は混乱しないと思います.
@Paul_Painleve わかりにくいリプすみません, 自動的にアルゴリズムを適用することに留まってしまっている, という問題点は理解しています. その上で, 「ことば」に引っ張られてしまうのを防ぐ為に「解」というのはひとつひとつの数だというのを強調すべきでは, の意でした.
@hoga_hoga おっしゃる通り, 中学, 高校の数学では解をもっと丁寧に扱うことが大切だと思います. 大学の数学では, 重解の扱いや不定の場合を含めて「方程式の解」の意味を拡張解釈していきますので, しだいに「解=解空間」になる傾向が強くなります.
@Paul_Painleve はい. 数学とか方程式に限らず, 認知の発達の過程の「つまづき」を, 道が間違ってるとして「方向」を矯正しようとしたり, ましてや誤答としてはじいたりしないようにしたいとは思っています.
@hoga_hoga 大変良いことだと思いますが, 難しい問題でもあります. 「 x=2 は方程式 x^2-3x+2=0 の解になることを示せ」に対して, 因数分解なり解の公式を使って解いてきた生徒に対しては「解かなくても代入すると方程式を満たすでしょ」と教える必要はあると思います.
@hoga_hoga 一つには「方程式を解いたら検算する習慣をつけさせる」というのは, 少なくとも代数方程式, 微分方程式や固有値・固有ベクトルの計算に対しては有効でしょう. 検算は単に計算チェックのためだけではなく, 概念の理解にも役立ちます. 受験勉強で先を急ぐのか, 検算の習慣がない.
@Paul_Painleve 解を評価したり検討したりというのは, とてもエネルギーの要ることですからね. 解決策としては, 検算自体を求解の手続きの中に組み込んでしまう, というのもありますが, 結局パターンマッチングな解き方から脱してはいないですし, 難しいですね.
@hoga_hoga 「数学を習うというのは, 問題を解く技術を身に着けるのではなく概念を理解していくことである」と理解できるようになるのは大学になってからですが, 中高のレベルでももう少し生徒に「理解する」意識を持たせていただければ, というのが私の最初の問題提起です.

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