数学会が大変な英断を下しているので広めなければいけない. 「数学メモアール電子版の公開について」として ここ で第 1-2 巻について出ている. リンク先では第 3-4 巻もダウンロードできる. それぞれ「3次元接触構造のトポロジー」「作用素環と幾何学」「リーマン多様体とその極限」「共形場理論入門」で, 専門的で比較的最近の内容だが, 学部生くらいが背伸びして読んでみると研究の雰囲気が感じられて面白いだろう.
「作用素環と幾何学」は専門が近いので目を通してみた. 夏目先生パートの作用素環はかなりよくまとまっているので, 作用素環の雰囲気を掴むのに良い. 第 3 巻は Riemann 幾何周辺の学生が勧めていたようなので, これもそれなりの内容なのだろうと思っている.
上記ページから各巻の内容を抜き出しておくので, 興味が湧いた向きは目を通してみよう.
第1巻 3次元接触構造のトポロジー, 三松 佳彦 (付:Hamilton系の周期 解の存在問題とJ-正則曲線 小野 薫), 2001, 131p, 品切れ, [PDF]
本書は,接触幾何学の3次元の場合を中心とした概説である.力学系や葉層構造, 3次元多様体論などの視点からの解説が三松氏によってなされ,概複素曲線の方法が 小野氏によって解説されている. 接触幾何学,シンプレクティック幾何学,低次元多様体論,力学系,数理物理学などに興味を持つ人に最適である.
第2巻 作用素環と幾何学, 夏目 利一; 森吉 仁志, 2001, 230p, 品切れ, [PDF]
作用素環の理論の基礎および指数定理との関わりについての優れた概説である. 一応幾何学者を念頭に置いてかかれているが, 作用素環の理論に興味を持つ広い範囲の読者に興味のもてる内容になっている.
第3巻 リーマン多様体とその極限, 大津 幸男; 山口 孝男; 塩谷 隆; 加須栄 篤; 深谷 賢治, 2004,384p, 税込価格4,900円(送料 340円)[PDF]
本書は,多様体論の基礎的な素養を持つ読者を対象に, 大域リーマン幾何学の最近20年くらいの発展の主要部分を専門家が解説したものである. 本書に収められた内容を解説した成書は欧文のものでも見あたらない. 本書は微分幾何学の主要な分野の一つであるリーマン幾何学を基本的な文献であるといえよう.
第4巻 共形場理論入門, 土屋 昭博 述; 桑原 敏郎 記, 2004, 117p, 税込価格1,900円(送料 290円)[PDF]
共形場理論に関心をもつ人のために,その手法と考え方を初歩から解説する入門書. 京都大学で行なった集中講義『共形場理論入門 — 作用素積展開のしかた教えます』をもとに, 共形場理論における基本的手法,考え方である作用素積展開,共形場ブロック, N点関数系とそれが従う確定特異点型微分方程式等について 丁寧に説明する.そのために Boson 場を扱い,Wick の定理を証明したあと, \(sl_2(C)\) 型 アフィンリー環の可積分表現に従う$P1$上の共形場理論を展開する.
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