2013年2月14日木曜日

書評:クローバー 乙ひより



百合キチババア (これは当人の自称である) から百合で定評のある本をいくつか借りた. Twitter のフォロワー諸氏がどれだけ認識しているかは最早分からないが, 私はニコニコ動画でアイドルマスター関連の動画を作っている. 色々な意味で新機軸を探し求めているのだが, その中で百合や腐の方向で何かできないかと思っていて, その方面で参考にするべくアタックしていきたい.

第一話 彼女の隣

これは化粧や衣装について色々なことを考えさせられる, 貴重で意義深いな話だった. 不勉強な幾何を勉強しなければならないという気にさせられる.
大丈夫 キレイな人はなに着ても似合うから
まずこの台詞は示唆的で感銘を受けた. 「キレイな人」と「なに着ても」に何を合わせるかといったことを思う. ひとまず方向は 2 つあって, 「なに着ても似合う人をキレイとする」と「キレイな人はむしろ着るものを制限する」だ. うまく作用する変換群や剛性定理をイメージしている. 色々な群が作用させられる, または変換群が巨大な多様体は「キレイ」と思って, 何か群×多様体で話を展開できないだろうか. 掛け算の順番も大事かもしれない.

後者の「キレイな人はむしろ着るものを制限する」はもちろん複素多様体をイメージしている. 以前 千早誕生祭【貧乳はステータスだ!希少価値だ!】の数学的解釈について という動画を作ったがこの方向とも言える.

また, 選択公理と同値な「全ての集合には群構造が入る」という定理の魔解釈も想起される. 「どんな人でも似合う衣装が存在する」と魔解釈することで, 何か話が作れないだろうかと想像が膨らむ. どんな絵を描けばいいのかという大きな問題があるが, そこもまた数学的に興味深い.

ゴムやピアス, マニキュアといった (広義) アクセサリは多様体に入る群以外の構造とでも思えばいいだろうか. ある多様体に似合うアクセサリとして Kahler 構造だとか Lie 群の構造だとかを導入するという線を考えている. Hopf 多様体のように, 自然な複素構造と Kahler 構造が両立しないことなどをこの線で理解していきたい. Kahler にはならないが, Hermite 多様体にはなったかと思うのでそういうところも生かしたい.
ねえ… なんでダメなのわかっててしてくるの?
ただかわいくてキレイなものが好きなだけ♥
多様体愛護協会 というのがあるが, これに対して「かわいくてキレイなものが好きなだけ♥」と言って構造を入れていくことを想起した. その他, 刺青のようなちょっとアレな方向で構造を理解する方向もありかもしれない.
誰かさんの影響か知らないけど マニキュア塗ってきたらしいよ~
これなどは多様体の構造が多様体のコホモロジーに与える影響として魔解釈する方向を想起させる.

第 2 話 bitter girl

あ~… どっかにいい人いないかなぁ?
顔がよくって~
中略
…その山より高い理想を下げればすぐ出来ると思いますけど…
そうすると長続きしないんだよ…
これは自らの意思にもとづいて自らの感性に合った研究しかできない不器用な (ろくでもない) 理学系研究者を彷彿とさせる名文ではないか. この次の「思い当たる人」の記述もとりあえず出会った研究対象がライフワークになってしまったという状況を想起する. 「お互い彼氏ができるまで」といいつつ離れられなくなってしまった感じを数学的にもうまく描写していけないかと想像が膨らむ. 別の対象に「浮気」しつつ結局戻るような感じもなかなかいいのでは.

第 3 話 春よ恋

この話は全体的に『数学まなびはじめ』の高村先生の話を想起した.



少し筋が違うが, 先に目をつけておいた非線型半群の問題を他の人に解決されてしまった感じをこの線で描けないかという感じだ. 順番はともかく, 数学者と問題で三角関係が描けることに気付いたのは大きな収穫だった.

あと橋本さんの私服のときの姿, マリみての祥子様 (髪型的な意味で小説版) のようでかわいかった.

第 4 話 夢心

幼馴染ネタで真っ先に Wiles と Fermat の最終定理を想起した. 途中楕円曲線に「浮気」しつつも結局のところそれが Fermat の解決に繋がるあたりを上手く魔解釈につなげたい.
いくら家が隣同士だからって… ずっと一緒にいられるわけじゃない…
これには「小中学生でも理解できるからといって簡単に解決できる問題ではない」という魔解釈を施したくなる. その他, 数論でのこの手の問題も同じように魔解釈できるだろう. ワンパターンなのは良くないので, やり過ぎには注意だが.

描き下ろし Happy Days

第 1 話でテンションが上がり過ぎたせいか, 疲れ果てておりあまりよい魔解釈がおりてこない. マンネリ化させずに話を作っていく難しさを知る冬だった.

総評

第 1 話がやばい. Seventeen や Nonno などでのファッションの研究をより深化させつつ魔解釈の腕も磨いていきたい.

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