Twitter でそれについて少し話をしたので簡単にまとめておきたい. ここ や ここ のあたりだ
確率論モチベを高める必要がある.
@ccccccccandy そこで非可換確率論
@alg_d @ccccccccandy 代数的確率論の地平
非可換確率論って, 確率変数のなす環を非可換にするやつ?
@LT_shu 私が知っているのは, 可換なフォンノイマン環は大体 \(L^{\infty}\) になり, 可測集合の情報を持っているという所から非可換なフォンノイマン環あたりを基礎に議論する話です. 実際非可換ラドンニコディムとか非可換条件付き期待値というのがあります
@phasetr 自由確率論というやつですよね. お話として聞いたことはあります.
@LT_shu 自由確率論はまた少し違います. 自由もフォンノイマン環使いますが, 非可換確率論といった時には, 極端にいえばフォンノイマン環論そのものを指すことすらあります. 私が知っている範囲では結構大雑把な言葉です
@phasetr ああ, 違うのですか. 勘違いしていました. ありがとうございます. フォンノイマン環論全体を指すというのは確かに大雑把ですね. C*環論全体を非可換幾何学と呼ぶようなものでしょうか.
@LT_shu そんな感じです. 非可換な位相幾何学とか本当にいうことがあります http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~yasuyuki/msj02.pdfまず非可換確率論だが, 基本的にはあまり厳密な意味付けはない. ひどい場合 von Neumann 環論全体を指すことすらある. ここで何故 von Neumann 環なのか, というところだ. 上にも簡単に書いてあるがもう少し説明しよう.
まず von Neumann 環は \(C^*\) 環になる. 可換な \(C^*\) 環は局所コンパクト Hausdorff 空間上の連続関数環と同型になる. \(C^*\) 環はノルム位相を入れてあるが, von Neumann 環には弱位相 (可換なら気分的に各点収束) の位相が入っている. von Neumann 環は連続関数の各点極限になるので, 大体可測関数くらいになる. 本当に \(L^{\infty}\) (と同型) と言いたいなら測度の選択も大事だが, Riesz-Markov-Kakutani の定理があるので, 測度がたくさんあること自体は分かっているので, 頑張って適当に選んでくれば, めでたく可換な von Neumann 環が \(L^{\infty}\) と言える.
自由確率論 は Voiculescu が自由群因子環の分類をするために考えた理論だ. 自由群の生成子の数とその自由群から構成される von Neumann 環の同型問題が昔からあるので, そこへのアタックのために考えられた. 適当な意味で非可換な確率論を考えてはいるのでこれも非可換確率論なのだが, 大雑把な言葉である非可換確率論よりは指す対象が遥かにはっきりしている. 今はどうなのか知らないが, 数年前に聞いた限りではかなりえげつない議論をしていた. 名前などは忘れたが, 理論上重要な量が極限を使って定義されるのだが, その極限自体の存在はまだ分かっておらず, 暫定的に limsup を使って議論していた. 大偏差原理のレート関数としてエントロピーが出てくるとかいう話もある.
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